ことばを失った若者たち (講談社現代新書 787)
ことばを失った若者たち (講談社現代新書 787) / 感想・レビュー
有沢翔治@文芸同人誌配布中
病床で積読本を消化。今まで読んだ若者論が酷かっただけなのか、それとももう「オジサン」世代になってしまったということなのか、論点に反発は覚えませんでした。確かに社会としてはそういう現象は見られるし、それを分析するのが社会学。しかし(主にフランスの)思想をそのまま若者に適用させただけ。日本の実情・文化に合わせなくともいいのか?http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51493321.html
2017/12/08
赤い肉球
発売当時に父親から強制されて読んだ覚えあり。私はその若者たちだった。自分のことを批判されているように感じて、あまり良い気分になれなかった。しかし、育った時代が違えば、考え方や常識のズレが生ずるのは当たり前な話しで、若者たちの親世代になった私からしてみれば、「今の若いもんは…」と思うし。仕方のないことだと思う。若者たちが、中高年の立場を理解するには読んで損はない内容だと思う。
ぽっか
その時代を象徴するようなことばの変化から、若者文化あるいは若者が直面してきた危機が考察されている。数多ある要因のうちの一部分のみを取り上げるような節は見られるが、平成生まれの私としては発見の多い本であった。就学率が上がり中間文化層が拡大し、若者の自己目的化が進んだこと。近代的個人主義の若者文化は、日本社会のあいまい性の攻撃へと変容し、全共闘運動をもたらしたこと。しかしその敗北から、今度は日本社会全体に対立の排除という心理的制御が生まれたこと。自分の精神が社会の波の中にあるということを痛感させられる。
2015/04/11
だんご
退行の場としてのサークルに関して引っかかる。が、全体的になるほどと感じた。 性のモード化やら、ことば、コミュニケーション、自我の形成やらやら、共感を感じるところは多々。 今目の前に起きている序章がこのころにはすでに…。女性の企業戦士を見かけるのも近頃ではめずらしくない。女性が何らかの付属物であるのは嫌だし、独立した経済力をもつのは賛成。だけど・・・ジェンダーの問題は難しい! 60年代からのできごとでもそれほど遠いとは感じなかった。実感がわかなかったのは学生運動の下りくらい。
2013/05/11
Jun
昭和60年の本。25年以上前から、若者がデジタル化しており、大人からすると理解不可能な流行りや依存性が指摘されている。 コミュニケーションは曖昧化しているとの指摘もあり、これらはおそらく、当時の「大人」から見た若者に対する平均的な意見を集約していると思われる。 若者と称される者と「大人」との文化の違いは昔から、大人的な、評論的な考え方において否定的意見を持たれる宿命なのだろう。
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