ひとつの装置 ショートショート傑作選(2) (講談社青い鳥文庫 216-2)
ひとつの装置 ショートショート傑作選(2) (講談社青い鳥文庫 216-2) / 感想・レビュー
おたま
星新一のショートショート傑作選2。14編が収録されている。やはり星新一のショートショートは、ただのオチ小説ではない。『サービス』や『ごたごた気流』、『味ラジオ』を読むと、次第に仕事が、マスコミが、科学が暴走し、狂乱に陥っていく様が、人間の心の奥底に潜む欲望を露わにしている。こうしたところは、同時代のニューウェーブの作家とよく似た指向をもっているようだ。さらに『ひとつの装置』は、『傑作選1』の『午後の恐竜』とも通底する反戦小説となっている。そうした問題意識としても、鋭さを感じる。
2022/04/30
あおい
息子の朝読書用。息子が気に入ったのは「ごたごた気流」「包み」「ひとつの装置」「門のある家」私もだいたい息子と同意見。
2018/05/27
emi
門のある家は好きなんだけれど、読むと毎回落ち込む。自分の代わりなんていくらでもいるんだなと。この巻のチョイスは子供にはシビアな作品が多い気がする。
2015/09/13
びぎR
名手星新一氏のショートショート14編。NHKで放送された「星新一ショートショート」というテレビ番組を見ているのだけど、その中の「ひとつの装置」がシュールで意味不明だったので原作を当たってみることにした。星新一氏の作品は多作だけに意外とつまらないものもあったりするのだけどこの本は若年層が対象の「青い鳥文庫」のためか氏の作品の中でもわかりやすく質の高いものが揃っている。【続く】
2021/03/17
ダリア
読んだことのない話が多い印象。お気に入りは”見失った表情”これは別のショートショートで読んだ覚えがある。もう一つは”包み”とある包みからインスピレーションを受けて画家が才能を開花させるのだが、これは素直に羨ましい話だ。ただ、この画家は包みを開かなかったことが吉と出たのだろう。預かりものとはいえ、律儀な性格が良かったのかな。しかし、解説を読んでハッとさせられたのは、画家が最初に興味を持ったのは青年だったということ。これは見落としていた。
2016/10/01
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