はじめての構造主義 (講談社現代新書 898)
はじめての構造主義 (講談社現代新書 898) / 感想・レビュー
徒花
構造主義については何冊が読んだけど、本書を読み終わってもわかったようなわからんような感想のまま。本書の場合はとくにレヴィストロースの思想についての解説にかなりの紙面が割かれていて、やっと「野生の思考」と「ブリコラージュ」について腹落ちすることができた気がする。なるほど、数学的な側面から解説してくれていれば、かえってわかりやすかったのかもしれない。ということで個人的白眉は182ページ。
2022/06/10
まこみや
『はじめての人類学』を読む事前準備として再読した。70年代に大学に入ると、「サルトルはもう古い、これからは構造主義ですよ」と喧伝され、私も驥尾に付して『一般言語学講義』だの『構造人類学』だのに手を出した。一体どれほどその内容を理解できていたか怪しいものだ。1988年に出版されたこの本は混乱していた我が頭を整理するのに随分役立ったと思う。今回再読して、当時ポスト構造主義潮流の中で、ソシュールやレヴィ=ストロースの〈構造〉の要諦を、言語学と数学の基礎の上に初心者にもわかりやすく説かれていることに妙に感銘した。
2024/05/11
hit4papa
著者のはしがきには、本書は、「はじめての」と銘打っている事から、ちょっと進んだ高校生、いや、かなりおませな中学生を対象としているとあります。なるほど、構造主義を自身の口で語れるかは疑問ですが、凡そこういうものだ、という理解までには到達するでしょう。ただし、構造主義の生みの親とされる、レヴィ=ストロースの歩みを辿り、アイディアに到達するまでを追う二章は、話題が拡散し、内容も深く、一読で理解は難しくはありました。精読しないと道に迷ってしまいます。
2019/09/20
Aster
軽い気持ちで構造主義を知りたいと思った全員が読んだ本こと『はじめての構造主義』。入門として読むにはこれ以上はないと思います。ソシュールとレヴィ・ストロースにかなりページを割いていて、かつ例も沢山示してくれるので構造主義を完全に理解するとまではいかないけれど、限りなくそれに近くはなるだろう。つまり構造主義について確実に何らかのイメージは掴める。ただ、容易過ぎる(平易な言葉で語ってくれる)が故に、巻末で紹介されているラカンやらデリダやら『構造と力』の不親切さに泣いてしまう可能性アリ(個人的体験)。
2020/12/09
Gotoran
哲学、言語学、文化人類学等、数多くの分野で果たした構造主義の意義について、分り易く解説された本書。構造主義を担った中心人物のひとりであるレヴィ=ストロースに焦点をあて、ソシュールの記号論解説に端を発し、彼の構造人類学の起源(遠近法と数学)、概要が鮮やかかつ詳細に解説されてゆく。まさに、タイトル通り、『はじめての構造主義』ではあったが、非常に興味深く読むことが出来た。レヴィ=ストロースに興味深々。『悲しき熱帯』、『構造人類学』を読むことにしよう。いずれ、四天王の残り、ラカン、フーコー、アルチュセールも。
2013/12/14
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