ダンディ: ある男たちの美学 (講談社現代新書 973)
ダンディ: ある男たちの美学 (講談社現代新書 973) / 感想・レビュー
dilettante_k
原著77年。邦訳は3分の1を割愛する。ボードレール、バルベー=ドールヴィイら19世紀フランスの文人たちを中心に、ダンディズムが「身なりの技術」ではなく、厳格な自律性の謂いであることを明らかにする。産業革命とブルジョワが台頭する画一化の時代に、ダンディは差異を崇拝し、独自性によって1つの世界を特徴づける。故に、彼らは同時代のアメリカ(そしてベルギー)を嫌悪し、インディアンの精神性を称揚する。一方で、彼らは体制から隠れ、自らの帝国を築く術に長ける点で奇人とも一線を画する。抄訳ながらダンディの実相を示した好著。
2015/04/17
悸村成一
読了-34冊め。抄訳。
2024/07/24
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