性のミステリー: 越境する心とからだ (講談社現代新書 1349)
性のミステリー: 越境する心とからだ (講談社現代新書 1349) / 感想・レビュー
アト
教科書に書いてあったらいいなあと思う内容だった。そもそも性別は二つに分けられない。その実感はあっても、それで何かを掘り下げて考えたことがあまりなかったのでとても興味深かった。人は何に欲情しているのか、相手のジェンダーかセックスか?など挙げきれないが、ふだん疑問すら抱かないような事柄、その性質を解体していくのは目から鱗で、妙に楽しかった。セクシャリティについて、異性愛者は「〜さまざまな性的偏差と、自己との間に線引きし続けることによって維持される、不安定で、排他的なアイデンティティなのである」という指摘が→
2016/01/20
しば
図書館本。思っていた以上に性について触れられてあって満足。そして刊行年にびっくり。1997年から、こんなにわかっていた事なのか、と。それでも未だにあまり知られていない事だって多くて、もどかしい。読みやすかった。
2014/12/21
薔薇喰い姫
世の中がセックスグルメを煽り、それについて行けない人がセックスレスに陥っているんじゃないのかという見解には、納得。
2011/10/26
酒井一途
読んでみて、僕は性に関する調査や研究には興味ないのだなと思った。自分がどう考えるかであって、他の人のことはあまり関係ない。一人一人考え方は違うのだし、僕は僕の、君は君の考えを持っていればよい。大体ジェンダーに下手に頭突っ込むと、すべての議論を前提から覆さなくてはいけなくなるし、改めて定義づける事柄に関しても、そもそも定義づけするのがナンセンスという話に行き着くから、ひどく曖昧で抽象的なふわふわした議論しかできなくなる。それはそれで僕としては困りものなのだ。
2011/06/10
robin
初学者にも手に取り易い内容。「性」を、性自認・ジェンダー・性的指向性の三点から捉えるというのは発見。例えば女性同性愛者が皆、「心は男」だと感じているとは限らない:生物学的性別とジェンダーが一致するとは限らないように、ジェンダーと性的指向性が一致することも自明ではない。 いずれにしても、少数派・逸脱の立場を〟多様性〝と肯定的に受け止めるには、ある程度「学術的」裏付けが必要なのだ。本人が自分に言い聞かせる限りは、言い訳の枠を出ることはできないのだし。
2011/06/20
感想・レビューをもっと見る