スポ-ツとは何か (講談社現代新書 1454)
スポ-ツとは何か (講談社現代新書 1454) / 感想・レビュー
kawa
「体育」は身体を鍛えるため等の手段の概念、「スポーツ」はそれ自体を楽しむための「文化」。多くの日本人は、それを同一のものと見て混同してきた。そんな視点から我が国のスポーツ状況を批判的に評論する。マスコミや企業の営利主義に毒されている、スポーツ予算が箱物行政に滞っている、等。生涯スポーツとして数十年間続けてきたテニスやウオーキングが、結果として自分の人生を豊かにしてきたので、筆者の意見が新たな視点で頷ける。
2024/04/17
山口透析鉄
古書をAmazonマーケットプレイスで購入して読破しました。玉木正之氏については読売批判に大いに共鳴する部分が強く、既刊本、割と読んでいます。 スポーツとはデモクラシーである、と高校時代の恩師(ラグビー部の顧問で、私はグリークラブでしたが選択授業は取っていた)の本にも出てきていて、そこに通じるものなども感じる新書でしたね。 NPB、もう少しコミッショナーがしっかりしていたら改善するのでしょうが、日本を代表する超絶老害たるナベツネ氏が健在なうちは難しいでしょうね。残念な話ではありますね。
2022/09/05
にゃん吉
スポーツに関わるキーワードの解説の形でスポーツを論じる体裁。スポーツは、その由来から、本来楽しむものというのが、著者のスポーツ観の根幹と思われますが、スポーツは体育とは違う、企業スポーツの弊害、高校野球の問題、スポーツ行政の貧弱さなど、日本のスポーツへの問題提起が多く示されています。よその文化をそのまま受容しなかったり、受容した地域で変容したりすること自体は、悪いことではないと思いますが、弊害があれば、それも考えないとイケナイ。スポーツについて、色々と考えるとっかかりになる一冊かなと思います。
ああああ
1920年に行われたアントワープ五輪の予選大会のマラソンで、1位から5位までの選手が全員失格するという事件が起きた。(略)「脚力もしくは体力を職業とせるもの」が上位を占めたからだった。この処置に反発した人力車夫たちは、別の競技団体を作り、上野不忍池12時間周回マラソン大会などを催し、不当性を訴えたが、アマチュアリズムの差別性を暴露することも、日本人のアマチュアリズム信奉を覆すこともできなかった。P.28
2021/04/13
かおるん
Jリーグ合併騒動、IOC金銭疑惑、プロ野球ドラフト問題…矛盾を噴き出しつつ「繁栄」するスポーツを根源から問い直す文化論。
2020/05/23
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