アメリカ文学史のキーワード (講談社現代新書 1521)
アメリカ文学史のキーワード (講談社現代新書 1521) / 感想・レビュー
ハチアカデミー
B ヴァイキングの神話とコロンブスの大陸「発見」から始まる、アメリカ文学1000年の歴史。英文学の流れではなく、漂流する民(フロンティア精神)とピューリタニズムという理想型から米文学史を構築する。最終的にフォークナーやピンチョンらに行きつくゴールは同じでも、文学作品間の繋がりだけでなく、文化的・歴史的な繋がりにも目が向けられている。新書で読むにはもったいないぐらいの情報量である。もちろんブックガイドとしても秀逸。言及の多いアーサー・ミラー『るつぼ』、SF傑作『ニューロマンサー』、そしてピンチョンは必読か。
2012/10/18
marco
松岡正剛が絶賛していたので読んでみる(途中です)。逆順で、最後に配されたポール・オースターが監督した映画『ルル・オン・ザ・ブリッジ』から。いくつも評を読んできたし、好きでDVDを購入するほどだったが、巽氏の読みの深さに舌を巻く。これはすごい本かも。
2021/02/06
western
コロンブス以前、10世紀のヴァイキングによる「ヴィンランド」発見から冷戦後のポストモダン時代まで一千年におよぶアメリカ文学の歴史を、「ピューリタニズム」や「ロマンティシズム」、「ダーウィニズム」、「コスモポリタニズム」といったキーワードを中心に概観する。参考文献・年表の充実度からも窺えるが、とても新書とは思えないほどの情報量が凝縮されていて、登場する固有名詞のうち3割ほどしか知らなかった。とくにロマン主義以前の思想的伝統とその文学史的意義について勉強になった(気がする。すでに忘れつつある)。再読必須。
2018/02/20
western
再読。何度読んでも「情報量多すぎィ!」という感想は変わらない。
2019/07/22
あなた
新書という軽チャーメディアと密な情報量のかみ合わせの悪さを感じる。規範のアメリカ文学史を相対化しつつ、文化的地平から洗い直したいひとにはお薦めだが、決して入門書ではない。キャンパスで巽に出くわしたときに感動して思わずその場に立ちつくしたが、彼はなにさま?という感じでじろりとわたしを一瞥していった。わたし、やはり感動であった。うれしかったのである
2009/08/23
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