教えること、裏切られること: 師弟関係の本質 (講談社現代新書 1663)
教えること、裏切られること: 師弟関係の本質 (講談社現代新書 1663) / 感想・レビュー
koji
感銘を受けた四方田犬彦「先生とわたし」で紹介されていた本です。多岐に亘る師弟関係を整理し、その本質を考察します。師弟になるということは、「気安さ」から「競合と背反の関係」が発生することを言います。著者は、その本質は「弟子は師を越えようとするが、師は簡単に超えさせてはならぬ」関係、即ち「裏切り、裏切られる」関係と喝破します。特に、法然、親鸞、唯円の関係に筆が冴えます。弟子による師の単独相続とは、これほどエネルギーを要することかと衝撃を受けました。ラスト、親鸞が60を過ぎたった一人京都に帰る描写は胸打ちました
2015/07/13
うえ
重い本。内村鑑三や漱石/和辻等「柳田の議論を斜交いに眺めて,そんなことオレは知らぬ,と白い眼をむいていたのが折口信夫だった。神の源流に母と子のイメージを探りだそうとする柳田の方法に,おそらくうとましさと違和感を抱いていた」「明治の文明開花いらい,マルクスその人を師とするといったような言説にはほとんどお目にかからなかった」「聖書や仏典が師の最後の場面において弟子による裏切りの問題をもちだしているのは,やはり尋常なことではない」「ユダは,師のイエスを愛するか,それとも憎むか,いつも二者択一の岐路に立っていた
2014/10/19
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