演技と演出 (講談社現代新書)
演技と演出 (講談社現代新書) / 感想・レビュー
マエダ
”幅を低く見積もりすぎると、説明的なお芝居になってしまって、観客はバカにされたような気分になります。観客はわがままです。「わからない」と言っては怒り、「分かりやすすぎる」と言っては、また不満を言うのです。”演劇以外の考えかたでも学びとなるところが多い。
2018/02/20
ころこ
俳優がどうして台詞を上手く言えないのかということから出発し、そもそも演劇以前のコミュニケーションとは原理的にどの様に行われるのかというところを掘り下げているため、コミュニケーション論や文化論として広く長く読まれています。ジョン・ロックの定義を引いて、原理的には①同一人物内での表象の一致と、②他人との言葉を使った間主観性の一致がコミュニケーションを成り立たせているといいます。これを演出に当てはめると、①台詞を言うという行為も、人間の様々な動作の一つとして捉えていく②全ての台詞を、他者との関係、環境との関係で
2018/03/12
ゲオルギオ・ハーン
演出について、著名な演出家である著者が演出の現場でどんな仕事や講習をしているのかを説明した一冊。俳優論も所々あってそれも面白い。印象深い話としては、役になりきることやいかに実物に近づいて演技するかではなく、いかに観客とイメージを共有するかが重要というもの。また、サッカーにたとえて全体を見ながら自分のポジションの最適解を考えるのがプロの俳優に大事なことの一つという表現がとても分かりやすかった。また、演出論が読んでいてけっこう面白かったのでもっと深掘りした本を読んでみたいと思いました。
2021/06/11
sasara
演出家平田オリザさん著作イプセン人形の家、チェーホフかもめ等の等身大の演劇により約140年前位に誕生した演出家。 漫画ガラスの仮面的スタニスラフスキー的内面探究重視演技か 小劇的観客の感情移入を拒否するブレストのなーんちゃって演技かいい演技、いい演出とかよくわからない。
2021/03/24
おさむ
同じ新書の「わかりあえないことから」とかなり重なる部分がありました。10年以上前のこの本を、ブラッシュアップしたんですね。でも、スタニスラフスキーやブレヒトといった近代演出家の歴史は初出で、勉強になりました。
2015/07/03
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