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動物にとって社会とはなにか (講談社学術文庫 169)

動物にとって社会とはなにか (講談社学術文庫 169)

動物にとって社会とはなにか (講談社学術文庫 169)

作家
日高敏隆
出版社
講談社
発売日
1977-08-01
ISBN
9784061581692
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動物にとって社会とはなにか (講談社学術文庫 169) / 感想・レビュー

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サイバーパンツ

動物の社会は決して「けだもの」のようなものではなく、種のバランス維持・存続のために、かなり複雑に関わり合って成立していることが分かる。また、最後には、動物とヒトの社会を比較し、人類の種のバランス調節の手段が「戦争」となってしまった今、「本能的社会」を持たない人類だからこそ、遺伝的に出来上がった動物社会からも学ぶべきではないかと提示しており、人間社会を思索する書としても読める。

2016/05/08

gollum

最初に読んだのは、高校時代に市立図書館で借りてだったか。著作は多数あるが、本書と「チョウはなぜ飛ぶか」の二冊に日高さんの思想が凝縮されている。特に前者は高校生にはショッキングだった。最近の知見から見ると、筆者の論説には誤謬もあるかもしれないが、たとえあったとしても本書の価値を損なうものではない。結局、今西錦司系統の考え方には、わたしの琴線を解発するものがある、ってことか。古典的動物行動学を最近の生物学から評価するとどうなるのかという問題にも、古い世代としては興味がある。

2013/01/04

silk

動物は人間から見て決して「獣のような」社会を持っているのではなく、案外秩序だっているという、思っていたのとは違う社会が描かれている。そして最終的には人間社会との比較が行われるが、人間の起こす戦争がネズミの個体を減らす動きと類似しているというのは面白い。それならば、人間は本質的に個体を減らすために「戦争」を行っているのであり、社会発展に伴うものではなくなるからだ(もちろん社会の発展で人口が増加したのだが)。

2014/01/02

Nozaki Shinichiro

昆虫から人間まで、種の観点から見た本。個体数調整(増えすぎ防止)のメカニズムの話が主でした。個の行動としては不合理な行動も、種としては合理的になる事例が多数。トップダウンの意志決定がないのに、集団として機能しているところが非常に興味深かったです。

2017/09/07

orangekun

動物は、共食い、ハレム、順位制、個体群過密認識で行動変化し個体調整する。人間の本能は性衝動だけ持ち、行動内容をしらない。一匹だけ隔離して育てたネズミはメスを与えられれば交尾する。猿はメスに対してどうふるまえばいいのか知らない。大きな戦争が終わると、世界中で出生率が高まる。関係ない国までも高まる。昔から性に禁制はその集団の人口状態が変化すると緩くなる。社会的な人口調節。戦争は人口過剰で若い人間の率が高いときにおこる。人口構造が戦争を必要とするし可能にする。エロに対して厳しい現代社会は、増えることが悪なのかな

2019/03/23

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