森鴎外の『知恵袋』 (講談社学術文庫 523)
森鴎外の『知恵袋』 (講談社学術文庫 523) / 感想・レビュー
KAZOO
最近、漱石はいまだに読者がいるにしても鴎外や荷風はあまり読まれなくなってきているのでしょう。私は逆にこれらの作家を読み直していこうと思っています。この「知恵袋」はドイツの人物の著書からの引用を訳したものが中心であるとのことですが、なかなかいい文章が収められています。前半は文語で後半は小堀先生の口語訳ということで読みにくい人にも対応されています。私は道徳の教科書(なんか首相の写真を入れているかでもめているようですが)の代わりにこのようなものを読ませた方がいいと思っています。
2017/09/07
kana
『知恵袋』『心頭語』はドイツのクニッゲ著『人間交際術』を、『慧語』はスペインのイエズス会士グラシアン著『神託提要』を原典として翻訳されたものだと言われる。人との関わりと言うと、他人とうまく付き合うためにはどのように振舞えばよいかが問題に挙げられるだろう。しかし、作中で鴎外は「自分の最良の親友は自分である」と述べている。誰が見ていなくても、恥ずかしくない振る舞いをする。それが自分への信頼を作っていくのだと思う。自分と上手く付き合うことが、人付き合いの最初の一歩。
2018/02/11
wattann
現代にも応用できる知恵が満載
2011/01/04
mochi
解説が難しく、最後はほぼ流し読み。本文も古文は難解なので、訳の部分のみ読んだ。人間関係の作法はとても参考になる。他人に自分のプライベートなことを誰にでも打ち明けるのは良くない、など。時代が違っても変わらないものもあるが、さすがに明治時代なので、夫人との交際や夫婦の章に関しては現代に当てはまらないものも多かった。
2020/02/12
うろたんし
面白かった。口語訳は不要ではないか。知らない熟語は少なくなかったけど調べればすぐ出てきたし、口語訳にすると鷗外らしさが損なわれる気がする。さらに、出口汪が改めて口語訳を出しているのが不思議。
2015/11/25
感想・レビューをもっと見る