動物という文化 (講談社学術文庫 854)
ジャンル
動物という文化 (講談社学術文庫 854) / 感想・レビュー
ホークス
「生物は進化を続けた末、ついに人類を生み出した」「動物は単純なものから複雑なものへと進化する」などはただの固定観念で、小さな生物にも文化を見いだす事はできる。本書は平易で分かりやすい生物学解説で、主観や比喩が多い所はエッセイの様だ。動物の各門をパターンとして読み解き、器官や細胞や感覚器の意味を解釈する。昆虫やクモは基本構造上、脳スペースが限られる。結果一つ一つの環境と生活様式に遺伝的行動で適応し、種類数がやたらと増えた。初めて聞いたが興味深い話だ。1988年刊でちょっと固目。生物好きには面白いかも。
2018/06/25
ローレンツ🐾
本書は生物学を学んでいなくても、とてもわかりやすく書かれている。どことなくユクスキュルの【環世界】に通ずるものも感じられる。動物は摂取し、排出し、生産する。なにも人間に限ったことではない。昨今の人間上位の思想はやはり宗教からきているのか。多くの動物の生き方もさまざまであり、おのおの生き方の流儀がある。すなわちおのおのの文化がある。
2021/08/17
儚俣
最初の部分に古さは感じる(宇宙の歴史が50億年)が、生物の構造を文化としてとらえる考え方は面白かった。確かに進化の上で旧生物が淘汰されずに存続する理由を文化とすればわかりやすい。二章はよく言われる入門書的内容。
2014/09/15
ヒコ。
動物の体の構造の設計思想を「文化」として見る。図版が少ないのが悲しい
2011/07/30
感想・レビューをもっと見る