打出の小槌 (講談社学術文庫 937)
打出の小槌 (講談社学術文庫 937) / 感想・レビュー
ダイキ
佐藤春夫による秋成、綾足、西鶴、兼好、長明などの作品の現代語訳。自序によると「日本の古典から自の文学の血脈を調べてみようといふつもりと、過去の純粋な文章を現代文に写し直してみる事で、現代文の混乱の整理の方法に何かの目安が見つかるのではないだらうか」という目的があったとのこと。しかし作品毎の自註の中で春夫自身が幾度も記しているように、春夫の筆致を以てしても古典の“にほひ”を現代文に写す事は困難であるらしく、“にほひ”の特に濃い部分は原文のままで訳されていない。
2018/01/31
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