モーツァルト考 (講談社学術文庫)
モーツァルト考 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー
Bartleby
早逝の天才モーツァルトの謎めいた死、という雑なイメージを刷新してくれる。実際は晩年のことはわりと詳しく分かっているらしい。あの音階練習をそのまま展開させたような音楽を聴くと幼少期から死ぬまで自我が断絶なく連続している印象を受ける。その通りの人。子供が彼の曲を演奏するのを聴いてときにひどく感動するのはだからだろう。モーツァルトの管楽器の扱いが天才的なわけを知りたい。ピアノ協奏曲no.19,no.23,弦楽カルテット“不協和音"の率直さがすばらしく最近のヘビロテ。
2023/03/14
Toshiaki
天才作曲家の人生と作品について、当時の時代背景や彼自身の生活の記録を交えつつ縦横無尽に語っている。筆者のモーツァルトに対する愛情が存分に伝ってくる。■「モーツァルトの音楽がいまこんなに楽しくて、実に貴重な財産だというのは、あそこに、われわれが失ってしまったもの、しかも鋭く現代的なものー現代にいちばん貴重なものがあると思えるからなんです(中略)モーツァルトを才能とか、天与の奇跡的な例外とみるのではなく、おもしろい文化が生み出した卓抜な表現者としてぼくは見たい」(pp.45-46)
2020/09/05
hamlino
う〇ち連呼があまりにも強烈でしたが。。。 自然体で陽気にいびつさと付き合う様が容易に想像できました。
ふろんた2.0
★★★
2017/09/08
kinta
池内先生のモーツァルト談義。 編集者の聞き取りであるがため、若干話が前後したり重複はあるものの、先生ご自身のモーツァルト愛が溢れていた。 また、当時の常識、時代背景、時代感覚をものさしにして語られるので、現代に言われるモーツァルトの問題点なども全く異なる視点から見ることが叶い、なかなか奥深い本であった。 ただ、無類のモツ好きなのか、しばしばベトさんを引き合いに出し、けなしている。 本人にはそのつもりはないのでしょうが、ベト好きとしては少々哀しい事態となっておりました。
2017/09/01
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