戦争論 (講談社学術文庫 1342)
戦争論 (講談社学術文庫 1342) / 感想・レビュー
燃えつきた棒
早くも序において、すこぶる刺激的な言葉と出会ったが、読み進んでみるとそこまで面白くない。 おそらくその原因は、僕の理解力や集中力のせいだろう。 書かれていることは正鵠を射ていると思われるのだが、印象に残る言葉はそれほど多くない。 まあ、そもそも学術書なのだから、小説のようにはいかないだろうが。
2022/04/28
なっぢ@断捨離実行中
思った以上に歴史の終わり論だった。ヘーゲル=コジェーヴを討つべくバタイユ使い倒し。現代思想をヘーゲルが打ち立てた近代理性に対する叛逆の物語とするならばブランショ、バタイユ以下の、デリダやドゥルーズのような人物は自分には必要ない(難しい上に些事にかまけてるように映る)気もしないでもないのだが、一方で歴史に回収されない出来事とかいかなるものか考える上でやはりバタイユでは不足するのではとも思う。冷戦以後のマルクス回帰も含め現代思想の読み方に指針を与えてくれる点で良書かと。なにより佐々木中の師匠だし。
2017/04/13
シロクマぽよんぽ
20世紀以降、戦争は共同体同士の戦いから、世界大戦と化した。そして総力戦の登場以降、国家経済の限界まで、国民全員を巻き添えにすることになった。もはや政治的な目的や大義名分は機能せず、ただ殺人が解禁された状態というほかない。さらに核兵器の登場以降、「終戦」・「平和」は、「抑止」に取って代わられた。90年代前半の論考だが、今こそ読みたい1冊。ヘーゲル哲学的な《歴史》の拡大についても理解することができた。中国・ロシアや中東を悪玉扱いしても意味はなく、欧米の近代システムの限界が偶然そこに噴出している、と捉えたい。
2022/09/25
なつき
『戦争論』読了。西谷修、1998年、講談社学術文庫。二十世紀の戦争を、「クラウゼヴィッツからバタイユ、レヴィナスへと戦争の思考をたどり(裏表紙より引用)」といったスタンスで「西欧近代の<黙示録後>」として捉えていく。世紀末らしい。私はもうすこしバタイユを深いレベルで理解したい。
2018/08/10
∃.狂茶党
バタイユの翻訳がある作者による、戦争や政治の話。 話としたのは、想像力のあり方が非常に文学的に思えたからです。 ここに描けれる国家は、生き物のようです。
2021/03/31
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