出来事としての文学: 時間錯誤の構造 (講談社学術文庫 1427)
出来事としての文学: 時間錯誤の構造 (講談社学術文庫 1427) / 感想・レビュー
nranjen
1995年に出版された作品社版を図書館で借りて読んだ。「表象」に関して述べられた本を探していたのだが、これはあまりそのもの自体については論じてはいない…。しかしながら、この本を通してかつて熱中して読んだ本と再会できたり、作品について論じるということの面白さを感じられたことは大変幸いだった。
2020/03/27
エンピツ地獄
作品の他者性に読むことの可能性を、作者と分有する、その寄りかかりとか、たかだか可能性程度で我が物顔に語ることの恥ずかしさとか馬鹿さとか、反省したり。
2014/11/27
ほたぴょん
著者の小林康夫先生は、文学のみならず、現代哲学や文化論も専門にしているとのことで、かなり横断的な論文が多い。先行論文にあまり拠らないところもあり、独自性が強い読みかなとも思うが、三島の『豊穣の海』や大江の『人生の親戚』に関するものなど、なかなか刺激的な論文も多かったと思う。中盤の現代詩に関する部分以降は、難しくて理解しきれてないが、古井由吉氏との対談は面白かった。標題の『出来事としての文学』は、文学のトポロジーというか、文学が書かれ、あるいは読まれる場所・位相を「出来事」という言葉で表しているものと思う。
2012/05/04
sk
とても楽しいが、内容は頭に残らなかった。だが、見方は参考になる。
2012/11/21
静かな生活
4.0◼︎ハスミ文化圏の匂いがする記号の巧みかつ複雑ないじくり回し。人文学/文芸周りの批評は「作品解説」式ではなくテキストから自由なこの「出来事」式で基本的にいくべきだろう。文芸の大きな方向性がここで示されている気がする。終盤の古井-小林対談における古井の今日の閉鎖的な文学批判は刮目すべき。
2019/11/09
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