哲学の教科書 (講談社学術文庫 1481)
哲学の教科書 (講談社学術文庫 1481) / 感想・レビュー
i-miya
2011.08.13 (カバー) 哲学は何の役に立つのか。哲学の問いとは?哲学とは?物事を徹底的に疑うことが出発点。「哲学とは何でないのか」を厳密に規定する。平易な言葉。究極の「哲学・非-入門書」。(中島義道) 1946生まれ、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、ウィーン大学基礎総合学部修了。哲学博士。電気通信大学教授。(刊行-講談社、1995)
2011/08/13
mana
難解と思われる哲学とは、本当は平易なことを深く考えること。具体例を挙げながら、「哲学とは何なのか」「哲学をする」ことを噛み砕いて説明されている。本当の意味での「哲学者」と、哲学研究者の違いもなるほどと思った。批判的な意見も含め、ここまで自由に語っていいんだなと感じた。面白い。哲学のテーマをいくつか挙げられているので、問いを自分で見つけて、じっくり考えながら読むと時間がかかった。今はまだうわべだけしか理解できていないかもしれないが、多くの書物から哲学的思考を鍛え、知識も入れていきたい。
2022/06/09
里愛乍
著者によれば知識や技術を学んだだけでは者になれない音楽や芸術のように、哲学とは才能の一種であるといいます。読んでみれば購入のきっかけともなった第三章をはじめ、非常に面白くわかりやすい。もっとも「わからない」より「わかったつもり」の方が厄介だと仰ってますから、私の「わかる」がイコール著者の求める「わかる」なのか如何かはわかりませんが。ただこれらのことを他人に知られるのが「恥ずかしいこと」だと感じてらっしゃるのは、ひどく共感いたしました。所謂「厨二」ですものね。私が幼少の頃からずっと抱いている〝これ〟は!
2017/11/04
SOHSA
《購入本》タイトルのとおり、著者は哲学するとはいったいどういうことかを極めて明解に説いている。哲学することと哲学史を学ぶことの違い、哲学と思想の違いなどの説明は、読み手にとっては非常に親切かつ丁寧である。「思想とは、他人が血を流した思索を、冷静になるべく客観的に理解しようとする態度に支えられて」いるとはまさに的を射た表現だ。突き詰めていくと、私にとってのやはり哲学的問いは、「私・今・ここ」に収斂されるように思えてならない。
2015/01/07
踊る猫
中島義道という人、なかなか侮れないなと思うのは哲学を学ぶに当たって哲学書以外のところからの引き出しが異常に多いこと。ル・クレジオやモンテーニュの文学/思索も彼に掛かれば哲学の土壌となる。もちろんこれは彼がそれだけ彼の体内でテツガクして来たからでもあり、ハイブリッド/雑種として「闘う哲学」を全うして来た証左とも言える。それ故に彼の思考はしぶとい。本書も何年目かの再読になるのだが、難解な議論の合間にストレートに人生訓を打ち込んで来るあたり、練達の書き手の凄味に触れたようにも思った。モンテーニュを読みたいと思う
2019/12/31
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