『資本論』を読む (講談社学術文庫)
『資本論』を読む (講談社学術文庫) / 感想・レビュー
夜間飛行
「資本論」初心者である私にとって、現代社会と関連づけながらこの大著を紹介してくれる本書は有り難かった。私は幼いころ駒場にいたためゲバ学生とたびたび遭遇し、TVでは浅間山荘事件を見て育った。そこには怒号と暴力の記憶ばかり残っているが、本来の唯物史観は、働く人々が主体となって創造的な社会をめざす思想であるらしい。マルクスは資本が剰余価値を生む(つまり貨幣が自己増殖する)という信仰を物神崇拝と考え、そこに労働者への搾取があると言っている。これは昨今の新自由主義に比べ、ずっと人間を尊重した考え方ではないだろうか。
2014/04/03
masabi
資本論の入門書。資本論の解説のみならず、マルクスの誤りの修正や学説の批判、検討など一冊で多くのことを学べるようである。資本主義の原理を解明しようとした著作なので、内容も高度であり、十分な理解には至っていない。所々に現代にも通ずる視座があるように感じるのが、現在でも読み継がれる所以なのだろう。
2015/05/26
中年サラリーマン
資本論は資本主義の先にある社会主義へ世の中を進めていくため資本主義というものの分析を徹底的に行った書。その分量は膨大。その資本論を一冊にまとめてしまおうというコンセプト。結構コンパクトにまとまっていてよいと思います。資本論はさすがに長くて無理って方はこの本でもいいのではないか。
2014/06/22
中島直人
ずっと積読本だった本。自分には難し過ぎてなかなか読み通すことは出来なかったが、「ぼくらの頭脳の鍛え方(立花隆、佐藤優)」にあがっていたのをみて再チャレンジし、ほぼ3年越しでやっと読了。マルクス理論の理論的な美しさと、現代性の一端をほんの少し知ることが出来た気がする。が、理解度は2割も無いので、何年かしたら再チャレンジしたい。
2014/03/21
Hiroshi
帯には「東大生はこれを読んでいる!東大駒場で2年連続テキストに。すらすらわかる経済学の名著」とある。授業を受けずにこの本だけで資本論を理解することは難しいが、『資本論』を読むときに大変役に立つ本。第1巻「資本の生産過程」①基本としての商品、②貨幣の謎を解く、③貨幣の働き、④資本の増やし方、⑤働くことの意味、⑥剰余価値の生産、⑦技術革新の作用と職場の組織、⑧労働の秘密、⑨資本蓄積と人口法則、第2巻「資本の流通過程」⑩資本は循環する、⑪回転の速めたい、⑫再生産の原則と国民所得、第3巻「資本主義的生産の総過程」
2024/08/11
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