天井のとらんぷ―曾我佳城の名推理 (講談社ノベルス)
天井のとらんぷ―曾我佳城の名推理 (講談社ノベルス) / 感想・レビュー
ばりぼー
およそ30年ぶりの再読。奇術探偵曾我佳城シリーズの第一作。妖艶な佳城の姿が描かれた表紙を紹介できないのが残念。天井にトランプのカードを貼り付ける「天井カード」がダイイングメーッセージとして残された『天井のトランプ』、シンブル(指先にかぶせる帽子型の指ぬき)を飲み込んだふりをしてあちこちから出してみせる奇術で、本当にシンブルを飲み込んだマジック愛好家が死体で発見される『シンブルの味』、バースデイケーキに立てられた蝋燭の内、一本だけ再度火がつけられ短くなっていた謎『バースデイロープ』などが特に楽しめました。
2017/11/15
hirayama46
曾我佳城シリーズの第一短編集。手品をテーマにした短編ミステリですが、知識がなければ推理できないものもあったかのように思えますが、1980年代の前半、昭和の後期にの空気感と、その時代においてひとつの要素をクローズアップすることによってミステリとしてのバラエティを表す作品群はなかなか楽しいものでした。かなり細かく仕立て上げられている暗号ものが入っているあたり、泡坂妻夫らしさがあって良いですね。
2021/06/30
慧
★★
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