ヤバ市ヤバ町雀鬼伝 (講談社ノベルス アB- 3)
ヤバ市ヤバ町雀鬼伝 (講談社ノベルス アB- 3) / 感想・レビュー
桜井青洲
とてもよかった。時代背景もあるのか麻雀放浪記のギラギラした感じは少なく、人生の敗北を喫するところも少ない。それでも死の距離感の近さが読んでいてたまらない。ヤマ仙と飛び梅のところもなんだか最後は温かい。それでもオレンプを筆頭に出てくる登場人物から漂う雰囲気と妙な仲間意識。派手さや破壊的な面が抑えられた分、日常に潜む怪しさやそこでしか生きていけない人間を描かれ、クズ野郎、ダメ人間なのに、いやだからこそ人間味を感じる。この矛盾というかバランスこそが業の肯定。面白い。
2015/12/12
ぽけっとふくろう
やはり阿佐田哲也は面白い。勝負の世界でしか生きられない男達。破綻しているなかにも人間味を感じる登場人物。会話のリズムも心地よい。オレンプという名前も面白い。
2013/01/19
uburoi
ピンク街の片隅にあるマンションの一室に夜な夜な集まる隠れギャンブラーたち。主催するのは、殺人の前科もあるるーとこ風呂の支配人、オレンプ。クーパツのフウ公、家電屋、大学生のヤー坊、ヤマ仙、ツネ公、ゲン、ズンべ、と大抵はニックネームで呼ばれる面々が狂ったようにギャンブルにのめりこむ。雀鬼伝という割に、麻雀ばっかでない。一夜で借りられる現金を競ったり、中華マフィアの賭場を刑事のふりしてガサ入れしたり、ポーカーがあったり、サイコロ振ったりとなにがなんでも賭けに勤しむ。
2018/11/26
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