信玄忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL ヤK- 10 山田風太)
信玄忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL ヤK- 10 山田風太) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
読んでゆくと、小理屈や整合性についての疑問は、物語の勢いに流されて、雲散霧消するのだが。 死力を尽くして戦って、勝利を得た側とても、 更に思いがけない所から、ほころびる。 実は、最大の敵は外ではなかった。 そんな非情の運命の上に、更に非情を重ねれば、彼方に見ゆるは歴史という名の塔。そしてこなたを振り向けば、華やかに、鮮やかに技を決め、蝉より早く、その命を散らす忍者達。その運命は、花火にも似て。 彩りし花火にしばし見入りて、また次の戦いへ。その繰り返しに、次第次第に魅入られゆく。 それこそが忍法帖の醍醐味。
2003/10/02
花乃雪音
三方ヶ原の戦いで勝利するも撤退した武田信玄は病なのか死んでいるのか、また川中島で戦死したとされる山本道鬼斎(勘助)は生きているのか真偽を探るべく徳川家康の配下である服部半蔵は9人の伊賀忍者を甲州に派遣する。甲州には真田の忍びが待ち受けているが、伊賀忍者対真田忍者という対決は一部分にすぎない点が『甲賀忍法帖』との違いである。9人の伊賀忍者において情報収集が任務の最重要事項という共通認識がなされていないため信玄暗殺を目論む者が次々現れる点が残念だった。
2022/06/27
目黒乱
甲賀忍法帖や伊賀忍法帖は無茶苦茶おもしろかった印象があるけれど、これはイマイチだった。真田忍者のキャラが立ってない。奥泉光の解説は秀逸だった。「ナンセンス小説はナンセンスとして読めば良いと認識された途端に力を失う」というのが慧眼。山田風太郎の小説はナンセンスだが力があると奥泉光は言っている。
2022/10/07
ポコ
この著者の本は遥か昔に読んで以来2冊目。下ネタの多さはともかく、こんなに有り得ない忍法ばかりだったか?戦国時代の戦略の駆け引きは面白いと思うけど、あまりに無理な忍法は興醒めしてしまった。好きな人には面白いんだろうな。
2021/12/28
Kentarou Takeuchi
お約束の奇怪な忍者が順番に出て来ては死ぬ話なれど、後半は適度に変化があって最後まで楽しめた。味方の忍者全然目立たねえけど。
2019/03/03
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