殺戮にいたる病 (講談社ノベルス アK- 5)
殺戮にいたる病 (講談社ノベルス アK- 5) / 感想・レビュー
おかむー
なるほどサイコ物と見せて大掛かりな叙述トリックというわけか。仕掛けには素直に騙されたし(といっても最後の被害者の存在が伏せられた形なのでミステリとしては公平じゃないと思うが、俺そのあたりの描写は見落としてるかな?)、エロとグロも平均以上、特に解体と腐敗の描写がダメなひとには地雷ですねこれは。けれどこの作品を最も特徴づけるものは、稔は当然として、雅子の息子への執着、元刑事樋口と被害者の妹かおるふたりの罪悪感と、それぞれのバランスを欠いた精神状態を目の当たりにさせられる不快感なのだと感じた。『よくできました』
2014/06/30
𝕲𝖊𝖓𝖊𝖘𝖎𝖘𖢲
最後の展開に一瞬頭が回らなかったが数秒後に理解と共に生まれる感嘆。思わずパラパラと読み返し改めて成る程と話が噛み合う。犯人が犯罪に至る動機に関してはこの手の作品では定番の性的倒錯で戦慄やら恐怖やらは感じないが、母の息子に対する異常なまでの執着とかおるの姉に対する執着等、犯人の歪みの周りをさらに歪みで囲まれていることがある意味でこの作品の真の闇なのではないかと思った。そしてその全ての根源が形は違えど「愛」からきているというのが皮肉だ。愛とは一体何だろう。善と一般的な美による愛も、歪んだ醜い愛も、愛は愛。
2015/02/25
HAL
最後のページを読んで思わず「ああ!(そっちか!)」と声を出してしまった。いやー、うまいっ!一気読みしてしまうほどのめり込みはしなかったけど最近読んだ中で一番ラストが面白かった。
2014/01/07
sakari
騙されました。最後の最後まで全く気付きませんでした。最終ページでようやく…。他の方もおっしゃる通り、私もどんでん返しがあると知っていたのにこの騙されっぷり。いっそ爽快です。
2013/12/24
サクタリョウ
どんでん返しの結末があるという先入観から疑って読んでいたにも関わらず、しっかりトリックに引っ掛かってしまいました。 稔と雅子が親子であると信じ込ませるテクニックが素晴らしく、一度読んで腑におちなかった点を確認してみると、ちゃんと整合性が取れている事が分かって二度感心しました。今のところ叙述トリックで一番なのはこの作品になります。
2013/07/02
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