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絡新婦の理 (講談社ノベルス キF- 5)

絡新婦の理 (講談社ノベルス キF- 5)

絡新婦の理 (講談社ノベルス キF- 5)

作家
京極夏彦
出版社
講談社
発売日
1996-11-01
ISBN
9784061819320
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絡新婦の理 (講談社ノベルス キF- 5) / 感想・レビュー

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勇波

ノベルス版にて再読第5弾です。今回は時間をかけてじっくりと。さらに蜘蛛の巣を見極める為ようと人物相関図書きながら。(←暇人かっ!)いやー凄いですね〜。蜘蛛の巣どころかなんか怪しげな電子回路の設計図みたいなのが出来上がりました。これオススメです。物語が一層面白くなる事請け合いです。このシリーズ一通り読んでますが、本作で内容・構成共にピークを迎えたように感じます。新作長い間出してくれないんでなんともいえませんが…。いつもながら中禅寺が腰を上げるシーンには鳥肌が立ちます。今回は今川くんが担ぎ出す。グッジョブ!★

2016/05/18

優希

ノベルズで再読です。絡み合った2つの事件が複雑に進む長編ながら、読み終えるまでの時間はあっという間のように感じさせるのが凄いところです。目潰し魔と絞殺魔の連続殺人と少女売春という重い題材を扱っていながらも、偶然の組み合わせのようにも感じますし、何かの結果の答えにも思えるのが恐ろしいところです。難解なパズルのような作品ですが、そのパーツがはまっていくのを堪能できます。これが京極作品の真骨頂かとすら感じます。全ての部分が描き出す1つの絵の素晴らしさにただため息をつくしかありません。

2018/07/23

星落秋風五丈原

シリーズ第五作は桜舞い散る下、男女が会話を交わしている場面から始まる。京極堂シリーズを読んでいる者なら、身に纏う黒衣、女性から指摘される彼の役割、理屈っぽい喋り方から、男性が誰かはすぐにわかる。今までの対決風景とは異なり、かなり両者が拮抗しているようだ。それも力が互角というより、京極堂が言葉で押しても、常にフワリといなされている感じ。だからいつも対峙する相手の手法で憑物を落としている京極堂が今回は肝心な所で見切れていない。知識も経験も人並み以上の彼が恐れている相手とは、一体どんな人物なのか?

2005/02/19

藤月はな(灯れ松明の火)

再読です。何度、読んでも蜘蛛の仕掛けはあまりにも緻密すぎて圧倒されずにはいられません。性別やジェンダーに囚われて自我と社会の間で苦しむ人々に苦しくなるものがあります。歴史上の性、近代化による家長制度の変化や社会での女性の立場や神性の変化など女性問題についてもしっかり、書かれていて興味深かったです。しかし、私は母親の言葉は理解できてもそこに亡き子供に対する今更ながらの母親特有のエゴが透けて見えるようで心底、憎たらしくなりました。それにしても京極堂、普通の少女はヘブライ語は読めないよ・・・・。

2010/09/10

kinnov

百鬼夜行シリーズ中一番緻密で大胆で、シリーズの醍醐味に溢れた作品。新本格以降のミステリー界でも屈指の傑作だと思う。終戦後の世相らしいカストリ雑誌が好む猟奇事件が二つ。清楚だが微かに眈美が匂う基督教全寮制女子学院の事件と7つの謎。複層的に絡み合い、囚われた者たちが藻掻く事で事件の様相はさらに深まり混迷を増す。美しい構成の物語の中で、京極堂が行う複数回の憑き物落としと榎木津と木場修の活躍が存分に愉しめ、最後の1頁まで続く展開に目が離せない。最後の行を迎えたら、改めて物語に戻りたくなる蜘蛛の巣に絡められる傑作。

2023/11/01

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