ミステリーズ 完全版 (講談社ノベルス ヤL- 1)

Mzo

森博嗣のルーツ・ミステリィ100より。森さんが「前衛的」と評するだけあって、趣向を凝らした短編が並び、なかなか興味深い。趣味に合うかはともかく…。評価が高いのは『解決ドミノ倒し』みたいですね。私は『「あなたが目撃者です」』が好みかな。何れにせよ、短編は切れ味が命だと思う。

2016/03/01

花嵐

★★★☆☆ 短編集。全体的に狂気的な雰囲気が醸し出されている。正直、実験的な要素が強すぎてあまり好みではなかったかな。キッド・ピストルズシリーズのような派手さはあまりなく、かといって生ける屍の死のような奇を衒い過ぎていて滑っているところもあり…、と書いていて思ったが考えてみればこの作品の単行本が出版されたのは1994年、つまりはだいぶ昔の作品集ということだ。そう思えばこの小説が発表された当時ならば、だいぶ斬新な設定が多かったように感じる。リアルタイムで読めていれば感想もまた違ったものになっていただろう。

2021/11/24

ジャム

ミステリー界の鬼才山口雅也の狂気と逸脱、そして皮肉が効いた１０編の短編集！特にお気に入りは真相で思わず笑ってしまった「いいニュース、悪いニュース」、事件の解決シーンだけで構成され多重どんでん返しがこれでもかと仕組まれている野心作「解決ドミノ倒し」の２編！「不在のお茶会」のメタ的な挑戦作や「密室症候群」、「あなたが目撃者です」、「私が犯人だ」なども挑発的でニヤリとさせられたし、正に粒ぞろいの短編集でした！

2015/04/10

4545

初の山口雅也。「100人の森博嗣」で、ハードカバーの「装丁が凄い」と褒められていた短編集。もちろん中身も「斬新さ」を褒められていた通り、凄かった。　ミステリーの2枚組CDをコンセプトに作られた自選集なのだが、好みはDISK-1の方で一番は「解決ドミノ倒し」。どんでん返しの連続で一体何回転したのやら。DISK-2の方は、コリすぎで、ちょっとついて行けず。

2018/09/02

Kid A

『生ける屍～』や『キッド～』のようなパラレル本格的なものとは違い、シニカルでブラックな世にも奇妙な物語のような趣。　読者を自分のテリトリーへ引き込もうとする気概のようなものも伺え、この辺は作者の稚気を垣間見たようで面白かった。　今まで自分が読んだ山口作品とは毛色が異なる作風だったので、なるほどこんな引き出しも持ってるのかとちょっと関心。

2016/07/31