KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

煙か土か食い物 (講談社ノベルス マG- 1)

煙か土か食い物 (講談社ノベルス マG- 1)

煙か土か食い物 (講談社ノベルス マG- 1)

作家
舞城王太郎
出版社
講談社
発売日
2001-03-01
ISBN
9784061821729
amazonで購入する

煙か土か食い物 (講談社ノベルス マG- 1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

nobby

ヘイヘイ!何だ、これは!?そして、これが噂のマイジョー!とにかく文調や改行、句読点などお構いなく、カタカナ英文ぶっ込みながら書き綴られる自由で独特な描写が印象的。その一方で、途中ふと挟まれる名言に油断ならない。連続主婦生き埋めという狂気な犯行の被害者となった母の復讐に燃ゆる四郎、その明晰な数式やグラフ、そして暗号解読などから導き出されるコミカルな事態にはゾクゾクやニヤリと忙しい。それが段々と家族愛・生と死などの主題へと変わり、思いもよらぬ感動へと。暴力満載で圧倒的な興奮から、愛を取り戻し深く眠る様に安堵。

2017/12/27

みっぴー

初マイジョーイエーイ!!丸々一冊こんな感じのテンションでした。連続主婦生き埋め事件の被害者になった主人公シローの母。権力と暴力をもって犯人に復讐を誓うシローですが、警視庁のキャリアや検事を顎で使っても中々犯人に辿り着けず…。やー凄い。目が回るほどのハイハイハイハイハイテンション。や、そこは伏せ字使おうよ、とか余計な心配しながら読みました。でもね、いい話なんですよ。主人公が米国のドクターで、ERに在籍っていう設定も納得しました。普通のミステリが飽きた方におすすめです。

2016/11/24

さっとる◎

初maijo♪眠れない四郎の変なテンションに引きずられたな(笑)多発するアメリカンなスラングにスピーディーな展開、バイオレンスにミステリ。so cool!って言いたいとこだがいやいや、めっちゃ泥臭いし暑苦しかった(笑)関係ないよって顔して離れて日常過ごして日々生活したって、家族とか自分に流れる血とか幼少期を過ごした環境とか、否応なしにつきまとうファミリー的なあれこれがこれでもかとぶちこまれてミステリどこ行ったな一作だけど、良かったな個人的に(*´-`)疲れた四郎よ、愛に廻らされて深々と眠るんだ。

2015/12/24

おりん

再読。家族をテーマにしたエンタメ。最初に読んだのは10年以上前で、すごくインパクトある文章だという印象はあったが、中身はほとんど覚えていなかったので楽しんで読めた。一応ミステリだが、トリックや推理にほとんど重きを置いていない。キャラクター造形と描写、そして勢いのある文章がインパクト大。後年の作品に比べると地に足がついたストーリーで理解しやすく面白い。とは言え本作でも最後のあたりはかなり暴走して物語が発散しそうになるが。

2018/03/17

東京湾

罵声と暴力の吹き荒れる舞城式ノワール小説。デビュー作からフルスロットルだなあと感嘆する。この物語の良いところはただ無為無策にバイオレンスを撒き散らすのではなく、中心には「家族」という揺るぎない核があり、そこに向かってしっかりと行き着いているところだ。ただ延々暴力が繰り返されるだけならここまで引き込まれはしない。奈津川家の歪んでいながらも奥の奥では堅く繋がっている家族としての血が、人物を躍動させ、物語を展開させている。これが舞城王太郎の原点なんですね。とても面白かった。良い作品だ。

2017/04/29

感想・レビューをもっと見る