四重奏: Quartet (講談社ノベルス クL- 2)
四重奏: Quartet (講談社ノベルス クL- 2) / 感想・レビュー
セウテス
倉阪バカミスシリーズ第1弾。バカミスの定義が良くわからないが、本作は幻想小説に近い作品だと思います。各章が細かく分断されており、最後には一つの大局にまとまるのだろうと読み続けますが、物語の流れが一向に分からない為苦戦を強いられます。確かにオチには驚かされるのですが、物語の中のトリックというよりは作品そのものがトリックと言う事なのだろう。描き上げるには、たいへん苦労したであろうと推察しますが、読むだけで精一杯となってしまう。私には読み難い方の作品であり、リーダビリティの相性は大切であると再認識しましす。
2019/01/08
coco夏ko10角
う~ん、なんか読みにくいなぁ…。 と思いながら読み進めて真相が明らかになって納得。 そりゃ読みにくいはずだわ。
2019/12/22
zazo嶋
01年の作品。講談社ノベルスで今でこそ秀逸なバカミスを年1で発表されてますが、まだこの頃は違うのね...。その片鱗は見える作品の構図ですが、その全体に仕掛けたトリックとストーリーが上手く噛み合っていない印象が...。むー。まぁ...要は読み難いw。但しこれ以降の氏の偏執狂的な作品に対するトリック...本格ミステリなトリックというよりその作品自体が騙し絵になってるようなトリックの片鱗と拘りは伺えます。
2010/11/23
浅木原
倉阪バカミスの原点? 『三崎』系列の労力がかかりすぎるタイプではなく、たぶん誰でも思いつくし誰でも書こうと思えば書けるけど、しょーもなさすぎて誰も真面目にやろうとは考えないことをやってしまったという意味でまあ確かにバカミスである。ただそれが面白いかと言われると、別に面白くないから誰もやらないんだぞ! としか言いようがないわけで……。文体から仕掛けに至るまで、「独りよがりな作品ってどういうもの?」という問いに見本として差し出したいレベル。まあ近作もそういうところあるけど旧作のこれは純度が高いですね。
2016/02/18
ときのき
晦渋かつ曖昧な文体でつづられるきらびやかな幻想と、後段で暴露される真相の落差が“バカミス”と評される所以なのだろうけれど、まだこの時点では、作者としてはかなり真面目に幻想小説仕立てのミステリを書きたかったのではないかと思った。後年の諸作はこの作品に対する読者の評価を踏まえた上で、“受けた”部分を強調する方向へ軌道修正して作られているような。決して読みやすい作品ではない(正直、四分の三くらい読み進むまで何が書かれているのかわからなかった)が、作者の初志を感じられる一篇。
2012/02/17
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