猫丸先輩の推測 (講談社ノベルス クK- 2)
猫丸先輩の推測 (講談社ノベルス クK- 2) / 感想・レビュー
ばりぼー
謎かどうかもあやふやな日常の不思議な出来事に、猫丸先輩が首を突っ込み、見事な「推測」で一つの解釈を示すというほのぼの系短編集。唐沢なをき画伯のイラストが作品にどんぴしゃ!迷い猫を探すハードボイルド探偵の暑苦しさが魅力の「失踪当時の肉球は」、商店街のイベントで起こる妨害工作事件「たわしと真夏とスパイ」、動物園でのひったくり事件の怪「カラスの動物園」が印象的でした。「誰かが何かをしているのを見つけるのは簡単だが、誰も何もしていないのを発見するのは困難だ」…ふざけているようでいて、含蓄のある鋭い言葉もちらほら。
2014/03/26
Yuki
本当は再読。創元の文庫を買おうとして「これ持ってなかったっけ?」と思ったらあった。いつものごとく、小柄で年齢不詳(たぶん三十路)人懐っこい猫丸先輩があちこちに現れては江戸っ子的な軽妙な語り口で謎に対する答えを見いだす。定期的に届く差出人不明の電報のわけは。花見の場所取りをする新入社員を邪魔する者達の目的は。猫探しのポスターが塗りつぶされた理由は。商店街の夏祭りを妨害するのは何のためか。動物園に現れたひったくりのからくりは。疾走するサンタクロースの謎。ふざけてるようで時折鋭さを見せるのが彼の魅力だと思う。
2018/02/04
アーちゃん
図書館本。猫丸先輩シリーズの第四作目。初版が2002年と、すでに平成に入ってからの作品なのに、どこか昭和っぽさが漂っているような雰囲気で楽しく読みました。特にハードボイルド調のベタな探偵が出てくる「疾走当時の肉球は」に、やたらと元気な商店街のおっさん達のやりとりが楽しい「たわしと真夏とスパイ」がツボでした。「クリスマスの猫丸」はフロストもののもじりですね。唐沢なをき画伯のイラストも楽しい一冊。
2019/05/24
あちゃくん
ライトな謎解きものの短篇集。猫丸先輩のキャラクターがいい感じです。
2013/06/26
HiroNuma7
タイトルの通り、探偵役の猫丸先輩が推測をする小説です。推理ではなく推測というところがポイント。結論まで書かれていない話も多く、解釈次第で色々な推測ができてしまうため、物語がぐずぐずになってしまう可能性を秘めているのですが、飄々とした猫丸先輩のキャラクタの魅力によって、独特な雰囲気の小説になっていて、楽しめました。
2017/09/30
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