冷たい校舎の時は止まる (下) (講談社ノベルス)
冷たい校舎の時は止まる (下) (講談社ノベルス) / 感想・レビュー
エンブレムT
普通にブランコを漕ぐんじゃなくて、つかまる鎖部分をねじってねじってキリキリと巻き上げて回転させるブランコ遊び・・・子供の頃、やりませんでした?金属の軋む音を聞きながら凄いスピードで回転して、勢い余って反転して、さらに反転して、ゆっくり止まるの。・・・この作品は、そんな風にブランコで遊んだ記憶を呼び覚ましました。「髪のリボンが飛んでっちゃったー」とか、気にしてたら楽しめないんですよねw・・・具体的なことを書くと全てがネタバレに繋がるような気がしたので、これがまとめの感想です。・・・伝わったでしょうか?(笑)
2010/08/19
風眠
なるほどこういう結末か…と思った次の瞬間、その結末を包み込むようにまた結末が現れる。2転3転しながら結末のすべてが明らかになったとき、思わずため息がこぼれた。素直に、凄いと思った。登場人物のひとりが作者と同じ名前というのも、やはり伏線のひとつだったんだな。人間の「思い込み」という心理をうまくついた手法。榊が姓ではなく、名だったことの種明かし。最後の最後まで驚かされる結末のまとめ方に震えが走った。作家のすべてを出し切ったようなデビュー作、ものすごい力作に出会えて幸せだ。
2012/12/24
みっちゃん
むむ…こういう仕組みだったのか…この人物の回想だけやたら長いし、ここに出てくる子供達の名前って!?とは思っていたんですよ。ずるいよ、これは!でもそれは辻村作品を幾つも読んできた後に好きに言ってるのであって、これがデビュー作なんて、やっぱりすごいです。途中は辛い描写が沢山あってしんどかったけど、希望の見えるラストで良かった。エピローグのラストではとうとう泣きました。ああ、出れたんだね…できたら梨香ちゃんと榊先生の再会の物語を読んでみたいです。
2012/11/25
PSV
ちょっとビックリ。ちゃんと伏線、張られてたんだ。でも、面白かったかと言われればちょい微妙。もっとコンパクトにしても良かったかもね。 ★★☆☆☆
2012/07/04
ゆみねこ
一気に読み切りました。自殺していたのは予想していたあの子。この年代の狭い人間関係と、思春期の傷つきやすい精神世界を鮮やかに描いていて、これがデビュー作。やっぱり辻村さんは凄い才能の持ち主だと思いました。名前、鍵になっていますね。ロードムービー、また読みたくなってしまいます。
2014/01/14
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