凍りのくじら (講談社ノベルス ツI- 6)
凍りのくじら (講談社ノベルス ツI- 6) / 感想・レビュー
エンブレムT
理帆子風に言うなら、まさにSF「少し 不思議」な物語。高校時代の彼女の痛みや世界の狭さが描かれた前半は、自分が同世代であれば共感したかも・・・とは思いつつ、イラッと(笑)・・・でも、文中でのドラえもんの秘密道具の使われ方や、伏線の回収の仕方が予想外だったのもあって、後半の盛り上がり方が凄かったです。怒涛の展開なラストは のめりこんで読んでたので、エピローグで現代に引き戻された時には軽い酩酊感すらありました。読後心に残るのは、やはり母からのメッセージ。『凍りのくじら』というタイトル。そして、光。
2010/07/23
くろり - しろくろりちよ
自分の人間関係にSF…「スコシ・ナントカ」を当てはめている「スコシ・不在」のリホコ。扉を閉じ、みんなを見下して。そんな中、「不在」を演じなくていい、好きな「ドラえもん」のことを自由に話せる相手会い、リホは変わる。世界が自分にどう接して来たかじゃなく、自分が世界にどう接して来たかに気付かされる。可愛そうで閉塞的で痛い人たち。氷の下、閉じ込められたくじら。氷はいつか割れるかも知れない。割れなくても、暗い中で輝く光を見つけることはできるだろう。痛いのに、ほんのり暖かい家族の絆を書いた、スコシ・不思議な物語。
2013/01/10
はらぺこ
なかなか理帆子を好きになれなかったので読むのに苦労した。若尾は気持ち悪い・・・。美也タイプの子って苦手やけど、この作品では美也が一番好きかも。 自分が読んだのには「サイボーグ007」と書いてたけど、今出てるのは訂正されてるんかな?
2011/04/06
nyanco
リホが人を測るメジャーは『スコシ・ナントカ』少し、不足 少し、不幸 少し、腐敗 少し、不揃い…友人たちを見下すような彼女の斜に構えた生き方、彼女自身は 少し、不在。何処にも居場所がなく、何事にも執着できず、誰のことも好きじゃなかった彼女。そんな彼女が大切な人たちに出会い、変わっていくドラえもん好き青春小説…と思っていたら、最後にやられちゃいました。見事なまでに…。
2009/07/13
紫 綺
Sugoku Fun(すごく・ファン)…。読了後の私の気持ち。年甲斐もなく、泣いてしまいました(恥)。本の名前は読メで目にしていたんですが、ドラえもんに関わるファンタジーくらいにしか思ってませんでした。ごめんなさい。強く薦めてくださったスケキヨさん、ホントにありがとうございました。読んで良かった、感謝です。
2011/02/13
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