QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)
QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス) / 感想・レビュー
えみ
悪名高き大怨霊・平将門。歴史の中の将門と、巷で語り継がれる将門。そして何より恐ろしい怨霊伝説…。誰の為の歴史か、ということに重きを置いて辿っていけば噂の真相を探り当てることはできるのだろうか。歴史ミステリQEDシリーズ第12弾。その存在、真の姿はどうだったのだろうか?勝者によって歪められた敗者の素顔…そして死後にまで利用されたその名前。怨霊将門の真実をお馴染みの桑原崇・棚旗姉妹と一緒に解き明かしていく。些細な事実を積み重ねて、日本史の一端を変えてしまうような大きな可能性を見つける。その手法、変わらず虜だ。
2023/02/10
とも
★★★☆ventusシリーズラストは大怨霊将門をテーマに、福島、茨城、東京を駆け巡る。別にこの道筋を辿りたいとは思わないが、とはいえやはり将門、魅力がある。昔読んだ海音寺潮五郎の『平将門』と酷似する強いが優しすぎる将門像に酷似し、嬉しい半面哀しさもある。一つ言えることは、権力の前では出る杭は討たれる。そこに、三悪人と評される尊氏や非業の死を遂げた龍馬や西郷とオーバーラップし、だからこそ魅力的なのかもしれない。
2018/02/09
るぴん
図書館本。日本三大怨霊の1人、平将門とはどのような人物だったのか。教科書的知識しかなかったけれど、知れば知るほど、奈々のように将門の懐の広さに親しみが湧く。将門=怨霊説は、またもや朝廷側の騙り。成田山もなかなか興味深い。将門の怨霊のせいとされた、国会議事堂建設に関する「昭和の闇」の方が気になる。ラストは次巻に繋がる終わり方。神山禮子さんでずいぶん引っ張るな〜。
2017/03/31
佳乃
教科書でしかしりえなかったことが、こんなにもギッシリと詰まってようとは・・・日本三大怨霊の1人なんだぁ・・・と思って読み進めてみれば、全然そんなことはなく、懐深くとても暖かい人物像。タタルの独演会状態で進んじゃうけど、御朱印していても自分ではそこまでは調べないもんな。やっぱりタタルみたいな人がいるとつかみどころはないけれど、いたらいいよなぁ。知識が増えるから、わかるまで読んでみるのはいいよね。
2017/06/11
つたもみじ
シリーズ12冊目。今回はプチストーカー騒ぎがあったくらいで、ほぼ歴史パート。お花見に出かけた筈のタタル&棚旗姉妹は、しかしというかやっぱりというか…タタルに流されるようにして平将門の名所行脚へと。日本三大怨霊とまで言われ畏怖されている平将門の真の姿。虐げられていた人々に救いの手を差し伸べていたのはどちらか。勝てば官軍、負ければ賊軍…裏切りばかりで遣り切れない。ところでやっぱり沙織が苦手です。時折イラッとする。ラストは次回作に繋げる為か少々強引な感じ。禮子ってゲストキャラじゃなかったのか…
2013/10/24
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