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聖女の島 (講談社ノベルス ミB- 4 綾辻・有栖川復刊セレクション)

聖女の島 (講談社ノベルス ミB- 4 綾辻・有栖川復刊セレクション)

聖女の島 (講談社ノベルス ミB- 4 綾辻・有栖川復刊セレクション)

作家
皆川博子
出版社
講談社
発売日
2007-10-01
ISBN
9784061825512
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聖女の島 (講談社ノベルス ミB- 4 綾辻・有栖川復刊セレクション) / 感想・レビュー

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財布にジャック

長崎の軍艦島が舞台で前から読んでみたかったこの作品が復刊されて、嬉しい限りです。1988年に読めていたら、もっともっと楽しめたのではと思うとちょっと悔しい気もしますが、廃墟の島、修道院のシスター、不良少女だけの更正施設と皆川さんにこそ書いていただきたい要素が満載の作品なので、充分楽しめました。序盤では藍子の畳み掛ける様な会話にうんざりさせられますが、ラストで謎が解けてすっきりしました。解説も恩田さんでこの作品にぴったりでした。

2011/02/28

mt

孤島(軍艦島)にある、罪を犯した少女たちの更生施設を舞台にしたミステリー。幻想的な要素がふんだんに絡まり、期待どおりの怪奇な読み物だった。少女時代に姉の死に加担した施設の園長の古傷に、少女たちや修道会から派遣された姉に酷似するマ・スールが園長の心の安寧を許さない。現実と仮想が相まって、少女たちを死に追いやる、夢うつつの狂気が読み手をいやがうえにも興奮させる。幻想的で現実離れしているのだが、読むうちに日常との境が薄れていくのが皆川小説の怖くて楽しいところだ。

2016/06/05

藤月はな(灯れ松明の火)

(ドス暗感情のある感想なのでお気を悪くする場合があります)31人の中、3人、死んだはずなのに31人居る売春、美人局、薬物使用、恐喝などで更生を押し付けられた少女達。藍子に対しては「偽善者」、「自分しか愛せないのに悲劇のヒロイン気取り」、「何も決定できずに何もできない癖に」、「・・・・あんたが死ねばよかったのに」という感情しか起きませんでした。全ては、誤ってしまったとりかえしのつかない現実は虚構へ帰せ・・・・・・くだらない。永遠の無間地獄と自己憐憫による精神の自慰行為でしかない。

2012/10/31

みっぴー

やや文章が硬い感じがしましたが、中身はやはり皆川博子さん。修道女とか孤島の少女矯正施設とか…作品に漂う妖しい香りに、思わずニンマリ。だけど話の内容は、よくわからない(笑)みんながみんな、歪んでいる。人も獣も水も食べ物も。ガラス玉に映った世界のようにぐんにゃりした空間。意味不明だけど魅力的。ずっと眺めていたい皆川ワールドでした。

2017/03/03

*maru*

「助けてください。あなたの助けが必要です。助けてください。」絶海の孤島に建てられた更正施設で暮らす犯罪を犯した31人の少女達。3人が死亡し施設は火災で焼失。28人となった少女達はその後、再建された施設に再び集められるがそこには31人の姿があった…。軍艦島が舞台の絶望と救済をテーマとした幻想ミステリー。人が持つ嗜虐性。内に存在する正反対の自我。荒れ狂う廃墟と幼くして蕾を開花させた早熟な少女達。美と醜。正と狂。夢と現。今作も皆川氏の美意識の高さと豊かな感性に打ちのめされ陶酔いたしました。

2016/12/06

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