斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス シC- 22)
斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス シC- 22) / 感想・レビュー
優希
これ以上の本格ミステリーはないだろうという感じでした。事件の鍵になるのは斜め屋敷という構造だろうなと予想はつくものの、シンプルながらも巧妙なトリックには舌を捲くばかりです。御手洗さんの登場は後半になってからでありつつも読ませるのは、密室殺人の謎に無意識に引き込まれるからでしょうね。そして御手洗さんが華麗に推理する姿はやっぱり格好良いです。御手洗シリーズの名を確立したのみならず、数多くのミステリー作家に名作と評されるだけある作品です。
2017/09/25
aquamarine
そんなに傾いた家に何日もいたらそれだけでおかしくなりそうですが、そこはファンタジーでしょうか。花壇の謎が簡単に分かったのでいい気になって流氷館の見取り図と犯行現場の見取り図を何度も行ったり来たりして挑戦に応えようとしてみましたが、そりゃ無理です。こんなに綺麗に伏線が張ってあっても私の頭では想像ができません。そもそも流氷館のつくりを理解するのにすごく時間がかかりました。バカミスと言われるのもなんだかわかりますが、この作品がそして御手洗氏の魅力がその後の新本格を生み出したと思うと感慨深いものがあります。
2015/07/29
藤月はな(灯れ松明の火)
御手洗君、あんたが女嫌いな理由がこの作品でわかったよ・・・・。男同士は公私を区別しないねちっこい仕返しが多いのに女同士は本音では罵っていて建前上はおべっかやお愛想使うのが上手だもんね・・・。女同士の見苦しい罵り合いを聞かされてさぞかし、石岡君も怖かったんだろうな。本当にこの作品の女性にはうんざりさせられましたがこの作品で綾辻行人氏の館シリーズのきっかけになったとなると感慨深いです。
2011/04/13
Kiyoshi Utsugi
御手洗潔シリーズの第2弾。 北海道の宗谷岬のはずれに建てられた斜め屋敷に、8人の招待客を招いてのパーティーが開かれます。 そこでお客で菊岡のお抱え運転手である上田一哉、キクオカ・ベアリング社長の菊岡栄吉が相次いで殺されます。しかも殺人現場は密室。 札幌署から警視庁にヘルプが要請され、警視庁刑事の代わりに現地に出向いた御手洗潔と石岡和巳。 残り100ページで、無事に事件を解決することが出来るのか? 犯人は分かっても、手口と動機を解くのは、自分には難しかった。😅
2023/01/08
もち
「やれるやつがいるとすれば、この家だけだ」◆傾斜構造を有する「斜め屋敷」。この奇怪な建造物内で、密室殺人が立て続けに発生。不可能にして完全を誇る犯罪のトリックを、遅れて現れた占星術師・御手洗が華麗に解き明かす。■複雑極まる図面に四苦八苦しつつ、解決編まで読み進めたときの衝撃をどう表現したらよいだろう。このためだったのか、確かにこれしかない、だけど、解るはずがない。鮮烈すぎるハウダニットが爆ぜる、ミステリの醍醐味に満ちた名作。
2015/02/27
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