アンダルシア 外交官 黒田康作 (講談社ノベルス シO- 3)
アンダルシア 外交官 黒田康作 (講談社ノベルス シO- 3) / 感想・レビュー
たこやき
過去のシリーズの中で、最も「外交官」としての黒田を前面に出したように思う。財布とパスポートを忘れたと言う女性の保護をした黒田と、そんな女性を追う警察。物語の構造はシンプルだが、独立国の間での縄張り争い。国際問題に発展させることができないと言うジレンマ。それらが絡み合い、外交と言うもののいやらしさを十分に感じさせる物語になっていたと思う。ただ、主人公の黒田よりも、フランスに翻弄されるアンドラ警察の面々に肩入れしてしまった。
2012/03/25
lunarFarside
このシリーズ映画と原作でストーリーが変わるのはいつものことだが、この作品に至っては完全に別物。原作ファンはともかく映画のファンが読んだら激怒するんじゃないか?何故映画はあんなにつまらなくなったんだ!と。国家を背負う外交交渉のスリル、大国の思惑に翻弄される小国の苦悩、邦人保護の抱えるジレンマ。外交官を主人公に据えることで真保裕一が描こうとするテーマを存分に味わえるのはやはり原作だ。
2012/02/12
カワセミ440
再読。図書館の予約が進まない。ということで手近にあったものを。読み返してみると意外に面白い。映画はどうだったんだろう?一作目のイタリア物はTVで見たな、確か。欧州には行った事ないし、行くならスペインも良いけどイタリアかなあ?言葉通じないけど。先月スペイン物(ガウディ・)を読んだのでちょっとスペイン/バルセロナにも興味はあるんだけどね。アンダルシアって言われても、セビリアって言われても、どうも実感湧かないね。この本2度目だけど、あの結花さんにはちょっと共感できないかな。新保さんはその辺狙ってるんだろうけど。
2014/02/03
Zhao
こちらも映画とはまったくストーリーが違います。 小説の黒田康作は映像化されたものとは別物。間違っても織田君を思い浮かべながら読んではいけない(笑) 映画はアンダルシアの風景が見事に描きだされていたけど、本作の「アンダルシア」はキーは「え?」 マッチの「アンダルシアに憧れて」を思い浮かべてもいけない(笑)
2013/01/03
ohion
巻末に映画のプロットをもとに作者がアイデアを追加して出来上がったと書いてありました。確かに、これでは映像化は難しいでしょう。役人としての外交官(ちょっといき過ぎ感もありますが・・)の苦労、大国フランスとスペインの騙しあいと挟まれる弱小国といった構図はよくできていたと思います。事件の裏側など、いまひとつ入りにくい面もあり、乗り切れなかった面もありましたが、ラストの畳み込みと役人の描き方は作者ならではかと。
2012/05/29
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