緑金書房午睡譚 (講談社ノベルス シI- 23)
緑金書房午睡譚 (講談社ノベルス シI- 23) / 感想・レビュー
コットン
古本屋での出来事だけれどビブリア古書堂とは異なりミステリ風味のファンタジー。あちらとこちらの話が出て来て『薔薇の名前』や『ナルニア国物語』の引用も…。
2015/04/02
へくとぱすかる
ミステリっぽいファンタジー。そういえば、カバーのどこにもミステリとか書いていなかった。古書は登場するが、収集にかかわる話は出てこない。これは作者が女性のためだろうか。ヒロインの比奈子が出くわす事件は、途中でとても読み続けられないほどの怖さに覆われるが、ラストは……。こうなると何を信用するべきか、拠りどころがありません。それってすごく心細いですね。それでも比奈子は手がかりを見つけていく点、ミステリ的ではあります。ところで勝手な話ですけど、緑朗さんを「ビブリア」のコミック版五浦くんのイメージで読み進めました。
2015/07/04
はるき
篠田さんの本を読む時は何だか少し緊張してしまう。堅い、ちょっと無骨で愛想がない文章で女の子をヒロインにして大丈夫かしら?とか要らん心配をしながら読んだんだけど、しっかり面白かった。ミステリーとかホラーがお得意なんだが今回はまさかのファンタジーで吃驚した。
2016/09/24
cithara
月島は以前よく行ったなあ。もんじゃ焼きで有名になる直前ぐらいの時期。路地には入ったことはなかったけど、民家や鉢植えがひしめいていたことはまさに本書の描写の通りだった。「緑金書房」のような風情のある古本屋さんはなかったけど。『ナルニア国物語』について言及されていたのが個人的に嬉しかった。でも本書の世界はナルニアよりずっとファンタジーだったけど。最後の方で比奈子が「本をこの世界から目を逸らすための、言い訳に使ってはいけないってことかしら」と言う。私は堂々と言い訳に使っているので少し恥ずかしい。本書の続編希望!
2017/07/29
rin
★★★★★…古本屋を舞台にしたファンタジーというなんとも好みな設定。次から次へと起こる不思議な出来事、魅力的な登場人物たち、過去の事件や心の闇、これからの目標…一気読みだった。いくつか不思議は残ったけれど、そこは想像する楽しさがあるということで、それほど気にならなかった。現実から目を逸らさず、だけどあちらの世界があるということも受け止める。そんな比奈子の決意が頼もしく、眩しい。本を、世界から目を逸らすための言い訳に使ってはいけない…心に刻んでおこう。
2014/01/16
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