祈りの虚月 (講談社ノベルス タT- 39)
祈りの虚月 (講談社ノベルス タT- 39) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
フェンネルシリーズでもイラストを担当したミギーさんの挿画入りの少女たちの物語。それぞれの願いを叶えるために夜の校舎に忍び込んだ4人の少女。だが実際に居るのは5人。誰が忍び込まなかった者なのか。いつもとは違う、夜の帳という異空間で襞を一枚ずつ、捲る様にそれぞれの気持ちや蟠りなどの仄暗き想いが零れ落ち、疵口を作りながらも掬い取られ、昇華されていく。高校生女子の焦燥や優越感、狡さや孤独感、想いが透明な筆致で描かれています。そしてあの人の伝説への関わり方で恩田陸さんの「六番目の小夜子」でのあの人を思い出しました。
2013/07/24
ソラ
C:学園ミステリー。いつの間にか一人増えていて、誰が増えたのかわからないという設定で辻村深月さんの某作品を思い出した。ただ、料理の仕方は作者らしいというかこういう雰囲気は好物。学校って場所はつくづく特殊な場所なんだなぁて思う。
2013/06/05
寂しがり屋の狼さん
聖アステール女学院には、秘密の言い伝えがあった。「神無月の夜、虚月の下で儀式を行うと願い事が叶う」虚月【みかづき】の深夜、校舎に忍び込んだ高校生たちは儀式を行うため、暗号めいた名を持つ『三つの鍵』【叡智】【願い】【信頼】を探しはじめる。それぞれが心に秘めていた願いとは?そして彼女たちに降りかかる不可思議な事件とは?(◕ᴗ◕✿)深夜の学校…多感な少女たちを描く学園ファンタジー。
2023/12/30
Tomokazu Kumada
聖アステール女学院に伝わる秘密の言い伝え、『聖アステール女学院の奇跡』と呼ばれる【神無月の夜、虚月の下で儀式を行うと願いが叶う】という生徒から生徒へと語り伝えられる言葉を信じて、深夜の校舎に忍び込んだ4人の女子高校生達。願いを叶える儀式を行う為に必要な『三つの鍵』と言われる『叡智』・『願い』・『信頼』を探し求めて、深夜の校舎を彷徨い歩く少女達が遭遇する一夜の不思議な出来事とは……。薬屋探偵シリーズやフェンネル大陸シリーズの高里椎奈が多感な少女達と深夜の学校という不思議な空間を描いた初の学園ファンタジー。
2013/06/19
くろり - しろくろりちよ
学校で語られる伝統の儀式を行い、願いを叶えるため同じ夜に集まった少女たち。四人はそれぞれ四棟の校舎に別れ、「スクエア」の方式で集合した時一人増えている…。内気な小夜莉、自我の強い凛子、聡明な陽子、活発な芽衣、文学少女の雪。増えた一人は一体…それぞれの願いが叶えられ、夜が明ける時かき消える五人目の少女。個性がぶつかり感覚が研ぎ澄まされ、謎が解き明かされた時残るのは学び舎の友情の秘密。ノスタメジックな少女漫画を連想させる一夜を堪能した。
2013/07/09
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