日本共産党の研究(二) (講談社文庫 た 7-6)
日本共産党の研究(二) (講談社文庫 た 7-6) / 感想・レビュー
遥かなる想い
第2巻は 昭和史上最大のスパイ事件の一つ 「スパイM」の全貌から始まる。共産党の 最高幹部が実はスパイだったというこの事件、 今読んでも 不可思議な出来事である。 それにしても、特高と共産党とのせめぎ合いは 凄まじい..戦前の知らなかった出来事を 現代に教えてくれる、第2巻だった。
2017/07/19
かふ
読み終わったのになかなか感想が書けないのは、たぶん立花隆の論理が正しいとして、それは共産党かぶれだった日本のインテリ批判を立花隆が言えるのかということだった。最初にマルクス主義の二分法の欠点を論じている。黒か白かの論理で一般大衆とはかけ離れていると。一般大衆は打算的なんだよな。それが全体主義になってしまう場合もあれば敗戦と共に民主主義を信望したりもする。例えば全協(共産党系の労働組合)では、コミンテルンの指針を受け入れなかった。農民の多くが天皇制を転覆することは望まなかった。
2021/07/04
ステビア
第2巻は非常時共産党の栄枯盛衰(?)、お互いがお互いをスパイと疑い合う暗黒時代、佐野・鍋山の転向まで。
2020/08/24
モリータ
◆第2巻は非常時共産党('31~'32)と「スパイM」こと松村こと本名飯塚盈延の暗躍の時代、その非合法な資金集めの実態、熱海事件による一斉検挙、そして新たなスパイ大泉の食い込んだ野呂栄太郎ら中央部再建、外郭団体・全協の壊滅から、佐野・鍋山に始まる転向の連続へ。◆転向についてはこれまであまり興味が持てなかった(というか細々した党派の話全般そうだった)が、共産党史のみならず文学・思想上のテーマとして漸く「そそられて」きた。吉本隆明「転向論」の理屈もわかりやすく紹介されている。
2021/07/02
猫丸
旧指導者が獄中にあり、対外情勢も緊迫する中、一時的に党勢拡大したかに見えた非常時共産党時代を概説。当局はいつでも党内情報を得られるための切り札として松村・大泉を代表とするスパイを多数送り込んでいた。特に松村は優秀なスパイであるとともに、ときに特高の意思に反するような不可解な動きも見せるなど、非常に興味深いキャラクターだ。彼らスパイは簡単に党中央に入り込み、党活動の方向性までもリモート支配できる状態にあった。熱海事件での壊滅的打撃、かつての幹部の獄内転向に続く大量転向。共産党は瀕死の事態に陥る。
2021/05/28
感想・レビューをもっと見る