緋の記憶 (講談社文庫 に 2-9)
緋の記憶 (講談社文庫 に 2-9) / 感想・レビュー
Yu。
二十歳そこそこの大学生“仁木兄妹”や大切な人のピンチに立ち上がる“子供たち”という、ユーモアを取り入れた素人探偵の活躍が描かれるそれらとはちょいと毛色の違う三十代半ばの探偵“三影 潤”の活躍が描かれる大人テイストな六話の連作短編集。。お気に入りは、ある一枚の絵に隠された犯罪ドラマに魅せられる「暗緑の時代」。資産家の主を殺したのはいったい誰か‥ 本格的な推理が楽しめる「沈丁花の家」。
2018/05/13
kinshirinshi
「私の名は三影潤。三十代半ばの独身男。ここ高田馬場にあるマンションの一隅に、友人と二人で小さな探偵事務所をもっている」――仁木悦子さんが描くハードボイルド探偵・三影潤は、一見クールだが、事件にぶつかると真実を追求しないではいられない熱い一面を秘めている。そんな彼の活躍を描いた短編を六編収録。どれもかなりビターな味わいだ。私立探偵らしく調査方法は地味だが、謎の緒が見つかる(本人いわく「寄木細工の最初の一片がはずれる」)瞬間の高揚感を、この探偵とともに味わうのは悪くない。
2022/02/13
Narumi
三影潤ものの短編集。巻頭の「暗緑の時代」は富山県が一部、舞台になっています。『穴』の「山のふところに」の登場人物も、言葉の感じや「裏日本観光開発」という名前から同じような場所が舞台と考えられますが、仁木悦子に関する話をネットで見ても彼女が日本海の地域とかかわりがあったような記述は見当たりません。細かいことですが、ちょっと気になります。
2019/03/19
kanamori
☆☆☆
2010/10/18
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