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その年の冬 (講談社文庫 た 3-7)

その年の冬 (講談社文庫 た 3-7)

その年の冬 (講談社文庫 た 3-7)

作家
立原正秋
出版社
講談社
発売日
1984-01-01
ISBN
9784061831544
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その年の冬 (講談社文庫 た 3-7) / 感想・レビュー

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金吾

○立原さん最後の作品であり、続きが気になる終わりかたです。主人公は表面は落ち着きながらも芯は強い人ですが、対比されるかのように家元が弱さを見せています。作品全体に立原さんらしい美意識が散りばめられていて読んでいて静かな心になれました。ただ食べ物の描写の時だけはお腹が刺激され、食べたくなりました。

2024/01/28

Taito Alkara

物語の起伏が少なく、いつドラマが起こるのかとドキドキしながら読んだ。最後の一ページと解説を読んで納得。ずしりときました。続きが読めないのが残念。

2017/01/04

giant_nobita

ドラマチックな展開が用意されていたり、複雑な人間心理が描かれているわけではない。この小説の魅力は深津という人物の魅力に尽きる。彼の俗に染まらぬ粋な振る舞いと彼と直子との軽妙洒脱な会話と彼の作る手の込んだこだわりの料理の描写がよかった。遺作とは思えないテンションの高い作品だが、最後の一行の唐突さが未完結性を感じさせてせつない。

2014/04/28

更紗姫

読むとお腹が空く本。とにかく食の描写が秀逸。そして食べる場面がしょっちゅう出てくる。鰯の糠漬け、ブランデーでフランべするステーキ、越前ガニ、食べたい、食べたい!“手間をかけた食事”によって、雑木林では文化度の高い生活が営まれている。「出奔した家元夫人」も、「中年カップルの純愛」の行方も、どうでもよくなった。食のシーンだけ、何度も読み返す事がある。それから、深津氏のご母堂、「美しく枯れた人」にはお会いしてみたいと思う。

2013/12/18

モモイロペリカン

立原の最後の作品。中途半端なところで止まっているけれど、誰も命を落とさず、雑木林で穏やかに暮らすところで止まっているから、よかった。立原の作品が好きすぎて、ずっと浸っていたい。ニヒリストになってしまう。

2022/04/16

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