空蝉 (講談社文庫 た 3-8)
空蝉 (講談社文庫 た 3-8) / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆★ 処女作の「晩夏」から、最晩年の「空蝉」まで、作風の違いもあり、変化に富んだ作品集。性についてあからさまに描く「春の修羅」は立原にしては意外な作風。禁じられた恋だから盛り上がる「晩夏」は恋愛の雛型と言っても良い。50を過ぎて死を意識せざるを得ない「空蝉」は、癌に冒された立原の死の予感も感じさせる。見合いを繰り返すうちに本当に愛してたのはお互いだと気づくいとこ同士が微笑ましい「交喙(いすか)の嘴(はし)」。
2021/11/30
4じゅうから
立原の処女作もあり、遺作もあり、短編を集めた興味深い1冊。執筆されたのが時間的に幅があるので、同じ作家が書いたものなのかと驚かされる。これまで立原の長編ばかり触れてきて、それらの作品には救いのない結末を迎えるものが多いと思っていたが、この短編集には「ネクタイ」や「交喙の嘴」のようにほのぼのとした作品が収録されており、古本屋で長い間探していた甲斐があったというものだ。
2024/11/14
4082
『空蝉』『晩夏ー或は別れの曲』『遁走曲』『春の修羅』/『夫婦』『バスの中』『奥さん』『十万円の弁当』『ネクタイ』『交喙の嘴』
2021/03/22
approach_ys
ショートの作品、初期、最後の短編まで幅広く収録されてる一冊。バラエティに富んでいます。
2017/09/14
かえる
立原正秋は「冬の旅」など読んだが、この短編集は毛色ちがいかな。表題作は近所が舞台になっていて、男たちの話だが、他は男女の交わりを描いている。(掌編5つは別にして) 数日前に読み終わったけどこのくらいの日付だったかなぁ
2014/04/06
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