何でもない話 (講談社文庫 え 1-27)
何でもない話 (講談社文庫 え 1-27) / 感想・レビュー
そうたそ
★★★☆☆ 「沈黙」や「海と毒薬」といった文学作品が有名な遠藤周作がこういった肩の力の抜けた作品も書いているということは案外知られていない気もする。本書はまさにそんな軽い感じの作品が収められているのだが、サラッとした読み口だが、それでいてさすがの腕を思わせる秀作揃いだ。表題作が現すようにどの作品も何でもないような日常の些事を扱いながらさり気なく読者に問いかけてくるようなテーマ性を含んでいたり侮れない。死を扱ったものから、ふとした恐怖譚、ユーモア感じるとぼけた作品など、様々な味わいを楽しめる一冊だ。
2018/02/13
ポメ子
どの短編もスパイスが効いていたり、深かったりしたが、特に好きだったのは、動物にたいしての愛が溢れている「動物たち」。この話は奥さんとのやりとりもユーモアがあって微笑ましい。
2022/09/04
桜もち 太郎
十の短編集。死を扱ったものがよかった。「姉の秘密」、結核の手術で死んだ姉。医師との関係を恋人と空想。長い闘病生活、その空想だけが歓び。彼女は死ぬ。残したものはあったのか。人は皆彼女のように空想を夢見ながら生き死んでいくのだろうか。生きる苦しみ、辛さ、悲しみ、それから逃れるために空想はあるのだろうか。「気の弱い男」もそうだ。仕方なく妻を殺した昔の友人。日常が終わる、そこに安息があるのかもしれない
2016/06/23
go
実家にあった本。読みやすくてそれなりに楽しめた。「尺八の音」が良かった。遠藤周作もこういう軽い短編を書いてるんだなと思った。
2014/12/10
chiko
この本は20年~25年くらいに買ったものでしょうか。今なら非難の集中砲火を浴びそうないろんな人の日常が「何でもなく」描かれています。読メ登録500冊め。これからも幸せな読書ができますように。
2018/06/20
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