羊をめぐる冒険 下 (講談社文庫 む 6-4)
羊をめぐる冒険 下 (講談社文庫 む 6-4) / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
村上春樹さん作品の中でもおそらく1,2を争うと思われる冒険活劇の後篇です。のちに語り継がれる【いるかホテル】に到着してからの下巻ですが、まさしく怒涛の勢いでイッキにエピローグ(ラスト)まで到達してしまいます。ホテルから【山小屋】に向かう風景描写は北海道民としてはウットリしてしまう芸術さです。そして「羊男」が登場してからは興奮と感動がダブルで押し寄せ、そこに言いようのない村上さん作品特有の‘喪失’さがあぶりだされてきます。「僕」と「鼠」の≪羊クロニクル≫は、のちの作品群に大きな影響を与えています。
2015/05/02
がらは℃
喪失の物語。いや、違うなあ、羊をめぐる冒険で僕は何も得ていないし失っていないなあ。凡庸で平凡な世界に、溶けていったという印象。僕が僕であり、しっくりすることが出来る凡庸で平凡な場所はあるのだろうか?無いんだろうな、きっと。
2011/02/14
はらぺこ
自分には何が何やらさっぱり分かりませんでした。ハロウィンに羊男のコスプレする人が沢山現れたらノーベル文学賞が貰えるのかも知れない。
2015/10/24
ビイーン
読み終わった後に知った事だが、本書は鼠3部作の3作目なのだという。割と面白かったので前2作も読みたいかな。小説全体には、どうにもならなくて、もどかしく、切ない感じがよく出ている。主人公の僕が北海道へ行くと非現実とリアルの境界が曖昧な世界になってくる。結局、登場人物全員が喪失感を受けて終わるのか。
2021/05/05
kaida6213
再読。ひたすら失われていく感じがなんとも。この辺りの作風がピークで好き。
2016/07/29
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