戦中派不戦日記 (講談社文庫 や 5-3)
戦中派不戦日記 (講談社文庫 や 5-3) / 感想・レビュー
Eimi
医学生が綴った昭和20年の記録。 日々止むことのない空襲の記述や、疎開先での出来事。ポツダム宣言後の東京の描写。全てが地に足のついた一市民としての視線に基づいており、当時の人々の吐息が聞こえてくるようだった。 どうしても火垂るの墓とか、はだしのゲンみたいな印象が強くそれも真実であるだろうが、戦時中であってもくだらない冗談で笑ったり、お酒を飲みすぎたり、人間の生活があったことがわかる。それでも今みたいに、コロナ禍の混乱の最中にいてわかるのは、人間は決して変わることないのだろう。
2020/04/18
i-miya
2006.06.09 S20.01.01から 浅草蔵前付近 高橋螺子(らし) エルグレリヘン(嘔吐) 矢崎徳光「不滅の科学者」 御徒町 高須さん 菊池寛 短編 川端康成 短編 P015 浅草花月 P018 盗まれる風呂屋の下駄箱の履物P021 イゴロット族のミイラみたいな蒼黒い色 1/8死体解剖24♀ ルソン決戦 リンガエン湾進入 日本にロンメルなし 目黒 清水 P028 7000年前滅亡アッシリア イヴはすなわちマリアである 1/18 新宿2丁目火ちろちろ
2006/06/12
緑虫
印象的だったのは、空襲が起こったのが原因で数学の試験が中止になり留年を免れ、それを山田風太郎が喜んでたら下宿のおかみさんに怒られたというエピソード。いつの時代もボンクラ学生は変わらんなあという感想と、極限状態の中でも人間というヤツは慣れてしまうのだなあという感想と。8月以降は、山田風太郎の思考のやわらかさが光った。日本人の戦争の反省について考える上でも多くの示唆を与えてくれる。
2009/12/11
MIRACLE
昭和20年1月から12月までの日記。ようやく読了。読み通すのに5年以上かかった(開始は2006年11月19日)。日記を読むと、作者は海外の文学作品をしきりに読んでいる。作者は何を求めていたのだろうか。解説は橋本治。
2012/02/28
みそかつ
本人は自分を比較的自由な思想を持っていたと言って、実際当時にあってはその通りだったろうと思うが、それでも戦争の嵐の中において状況に流されしかもそれを自覚しまた自覚していない様子が読んでいて悲しい。終戦前日の深夜テンションの高揚感「やらねばならぬ!」「俺たちが!」もおかしくまた悲しい。
2015/07/10
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