殺しの掟 (講談社文庫 い 4-11)
殺しの掟 (講談社文庫 い 4-11) / 感想・レビュー
icchiy
1985年に発表された池波正太郎先生の短編集。江戸の暗黒街で暗躍する殺し屋たちの物語。ぞっとするし、こういうことは江戸時代にも本当にあったんだろうなと思わずにいられない。今よりもっと警察力なんて行き届いてないところに、暗殺やらなにやら悪事は蔓延っていたに違いない。権力と金とオンナ、いつの時代もきっとこの三つに翻弄され生き方を誤ってしまう男たちがいたということ。ハードボイルドな江戸時代の一瞬を切り取っている。
2020/04/24
タツ フカガワ
江戸の暗黒街を舞台にした短編9話を収録。そのほとんどに音羽の半右衛門や羽沢の嘉兵衛、房楊枝職人の彦次郎らが出てくるので、藤枝梅安のいない仕掛人シリーズのよう。解説によれば同シリーズ開始前に書かれた作品らしい。相変わらず物語世界への吸引力は圧倒的で、表題作や「おっ母、すまねえ」「梅雨の湯豆腐」がよかった。
2019/05/11
マーブル
『鬼平』『剣客』シリーズを読み終わり、『梅安』のシリーズを読む前に、その起源となる本作を、と思ったのだが、どうやらある程度読んでから「あのシリーズの原点はここにあったのか!」的楽しみ方の方がより、良かったようだ。例えば、「音羽の半右衛門」と言う殺しを仲介する男が度々登場するが、きっとシリーズのファンなら、「!」と頷けるに違いない。知らぬ私にとっては、何人か出てくる「元締」達の一人に過ぎないのだが。私が気がついたのは、料亭「不二楼」が『剣客』にも出てきた?と言うぐらい。まだまだ読み込みが足りないね。
2018/02/25
m
図書館のリサイクル本。「梅安」シリーズと繋がっているらしいが、残念ながらそちらは未読。いつの世も裏稼業は殺し殺され恐ろしい。
2019/03/28
ツカモトカネユキ
仕掛人につながる短編集。その後のいろいろな作品にもつながっていきます。 全ての話のオチにすんなりとは、いきませんが、 これくらいの短編が読みやすいです。 連作ではまる前に軽く池波作品の世界に浸かるのにうってつけです。
2018/01/08
感想・レビューをもっと見る