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あした天気にしておくれ (講談社文庫 お 35-3)

あした天気にしておくれ (講談社文庫 お 35-3)

あした天気にしておくれ (講談社文庫 お 35-3)

作家
岡嶋 二人
佐野洋
出版社
講談社
発売日
1986-08-08
ISBN
9784061838093
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あした天気にしておくれ (講談社文庫 お 35-3) / 感想・レビュー

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🐾Yoko Omoto🐾

第27回江戸川乱歩賞最終候補となった岡嶋氏の事実上の処女作で、競馬三部作の一作。三億二千万円のサラブレッド「セシア」に輸送中の事故で怪我を負わせるという不祥事を起こし、窮地を脱するために狂言誘拐を企てたところから物語は始まる。序盤は事件と犯人ありきの倒叙形式で始まり、正体不明の第三者が誘拐事件に関わる中盤から事件は誰もが予想もつかぬ方向へ転がっていく。意に反して犯罪に手を染めなければならなかった朝倉の苦悩が余りにも痛々しい。秀逸なプロットに謎の重ね技、殺人事件のない推理小説でこの面白さは文句なしの傑作。

2014/08/02

nobby

競馬知って読んで、もちろん面白かった。難しかったの評を耳にして、血統やレースの駆け引き等を予想していた自分は浅はか(笑)3億2000万の値がついた若駒の競走馬としては致命的な骨折。これを隠すため仕組まれた馬の誘拐劇の一方で重なる不可思議な事態は味方なのか敵なのか?とにかく足元すくわれながら思うように進まない様子と、それを企てるのが何者なのか気になって仕方がない展開。ラストでの捻られひっくり返されのトリックは安定の岡嶋作品。毎度ながら思うのと反転させる発想がお見事!

2016/10/26

森オサム

すこぶる面白かった。発表は1983年で有るが、自分にとっては、懐かしくは有っても古臭くは感じ無い時代。競走馬の骨折を隠蔽するため、誘拐されたとの偽装を行う事になる。その犯人側からの倒叙ミステリーかと思いきや、途中からは思いもよらぬ展開で、主人公は混沌の渦に巻き込まれて行く…。トリックやサスペンスも上質で有るが、それ以上に悲喜劇のドラマとしても素晴らしかった。登場人物の行動が腑に落ちるので共感できるし、その書き分けも上手いと思う。読み易い文章で情景がスッと浮かんで来る。殺人の起きないミステリー、最高でした。

2020/06/07

セウテス

「競馬三部作」最後の一つ。実際には、岡嶋氏が乱歩賞に応募した最初の作品になります。この作品も競馬を知らなくても困りませんし、殺人が起こらないミステリーです。四人共同で三億二千万円という破格値で購入した競走馬セシアが、搬入した牧場の事故で脚を折ってしまう。この事実は隠さなくてはならない。牧場をあげて、セシア誘拐事件を画策する事に。しかし事件は思わぬ方向へ。抜群のスピード感を持ったサスペンスです。かなり鋭い不安感を描いている、フウとハウダニットの傑作です。二転三転する謎の展開が、兎に角素晴らしい作品でした。

2015/02/08

みっぴー

三億以上のサラブレッドが誘拐されたーー手に汗握る競馬ミステリ。トリックが実現不可能うんちゃら言われていますが、面白いものは面白い。競馬分からなくても問題無いです。倒叙物で誘拐犯の視点で物語が進んでいくのですが、完璧と思われていた工作が何故か崩れていく……岡嶋作品はかなりハードル上げて読むのですが、期待が外れたことはありません。それにしても、この表紙は見事ですね…

2016/03/06

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