浮世絵鑑賞事典 (講談社文庫 た 43-2)
浮世絵鑑賞事典 (講談社文庫 た 43-2) / 感想・レビュー
おとん707
文庫本でありながらカラーを含む豊富な図版を参照しながらあまり有名でない(私が知らないだけか)絵師に至るまで網羅的に解説している。さらに巻末に浮世絵の制作法や用紙などの解説も。形は「事典」だが読み物としても面白い。というのも著者は本書執筆当時は研究者を目指していたが今や江戸川乱歩賞作家として有名。文が巧いはずだ。だけど記述の根拠を示すなど資料としての信頼性も確保している。単行本初刊は半世紀前。文庫版あとがきに綴られている初版が売れなくて自信満々から一転落胆した話しと漫画家杉浦日名子による解説も面白い。
2024/11/16
イーグルボーイ
1人当たりの作品を絞りながら大勢の浮世絵師が満遍なく紹介されている。個人的には著者の小説が念頭にあるので、お馴染みの絵師は、知人を、紹介されているような親しみを覚える。文庫本モノクロにつき美術書として物足りないのは当然だが、ちょっとした未知への出会いを楽しめる正しくハンドブック的良書。
2015/10/01
紫
高橋克彦先生の作家デビュー以前の著書、浮世絵観賞ガイドブック初心者向けであります。本書の売り物は何といっても、2000人以上といわれる浮世絵師の中から厳選された主要絵師59人の均一1ページ略伝。各人の画歴を追いかけるだけで浮世絵200年の概略が呑み込めるという親切設計です。浮世絵は庶民の消費物。「謎の絵師」といったら現代では写楽のキャッチフレーズですが、実際には大半の絵師が生没年も出自も不明な「謎の絵師」なのですね。熱のこもった略伝と掲載作の選定がところどころ一致していないのが少々残念。星5つ。
2014/10/15
兎旦那
これも大学時代に初めて買った。なかなか手に入らなくて手に入れるのに苦労したけど、最近再度手に入れました。僕の浮世絵熱に再度火が入ってしまった。塔馬シリーズも読みたいなあ
丰
Y-20
2007/05/15
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