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回転木場のデッド・ヒート (講談社文庫 む 6-7)

回転木場のデッド・ヒート (講談社文庫 む 6-7)

回転木場のデッド・ヒート (講談社文庫 む 6-7)

作家
村上春樹
出版社
講談社
発売日
1988-10-01
ISBN
9784061843196
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回転木場のデッド・ヒート (講談社文庫 む 6-7) / 感想・レビュー

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miki

他人の話をおもしろく聞くというのはまたおもしろい能力だ。それを文章化するというのは、どんなものなのだろう。「自己表現は精神を細分化するだけであり、それはどこにも到達しない。」聞く相手がいる上で自己を伝えるということはもどかしくて頼りない。その人がその時感じたものは決して言葉では伝わらない。そこにある会話の端々から、私たちは耳をすまして相手に自分の気持ちを寄り添わせるものなんだな。どれもおもしろい話だった。

2015/07/09

小豆姫

この短編集は、すべて村上さんが実際に人から聞いた話そのままを文章にしたそうで、小説というよりスケッチに近く語り口もたんたんと静かで目立たない存在ではある。でも、なかなかどうして味わい深い。村上さんの手にかかると、些細なエピソードが非凡でミステリアスな秘め事に変わるのだ。『今は亡き王女のための』『嘔吐1979』が好きかな。えっ、これで終わり? このあとどうなったの? …その先、その後の人生がたまらなく知りたくなった。

2019/11/06

吉野ヶ里

辻仁成のエッセイを思い出した。どの話もそこまで質量を持ってはいませんでしたが、本当に他人の話を聞いてるぐらいの感覚で楽しめました。「タクシーに乗った男」が印象に深いです。なんというか、なんとも言えないんですが。ノンフィクションというわけではないでしょうね。どのくらいの比率で事実なのか、10%かもしれないし99%なのかもしれません。その割合が作家の商売の秘訣なのかなあ、と思ったり思わなかったり。ただ文章に美しさが欠けていた気がします。上手くはあるのですが、村上さんの他の作品ほど流れていないというか。作風か。

2014/10/25

ポルコ

久々の再読。久しぶりすぎて、覚えていたのは、冒頭の「レーダーホーゼン」のみで、他の短編はすっかり忘れ去られていたので、新鮮に読了。最新作「一人称単数」と同じく、著者自身が語り手の体裁をもった短編集。語られるどの人物も何かしらの陰りがあり重苦しく不吉な印象。

2020/08/29

makoto018

先日参加した、とある読書会でテーマとなった本。これまで初期村上春樹作品はなかぬか読み進めなくて苦手だった。読書会参加者は村上春樹愛読者が多かったが、わからない部分はわからないし、周りくどく見える描写もあまりとらわれなくてよいと話していた。それを聞いて、初期村上春樹作品をこれから読んでいけるなと感じたものだった。実際この本は楽しみながら読むことができたし、この後は苦手意識なく、素直に読めそうだ。風の歌を聴けからはじめてみようと思う。新たな読書体験のきっかけの本になりそうで折に触れ思い出すような気がしている。

2023/02/11

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