イリヤ・ムウロメツ (講談社文庫 つ 1-5)
イリヤ・ムウロメツ (講談社文庫 つ 1-5) / 感想・レビュー
saga
【再読】『虚構船団』を読了後、本書を読む。そして、その文体の落差に驚く。いや、どちらが上下とかないのだが……。ロシヤの叙事詩の一つであるイリヤの物語。『水滸伝』に似た、大陸の物語という雰囲気を感じた。ロシヤ正教に仇なす周辺蛮族(ロシヤ視線)から、ひたすらキエフを守るために闘うイリヤだが、最後の戦いで「語り継がれる英雄」らしい結末を迎える。なかなかロシヤの人名・地名に馴染めず、主人公ですら「ムロウメツ」なんて読み間違えていた。文学研究者・中村氏の解説も良かった。
2024/06/22
メタボン
☆☆☆☆ ロシアの叙事詩ブィリーナ。その豊饒な物語の世界観を筒井康隆が見事に日本語に再現した。手塚治虫の挿絵も素晴らしい。
2022/10/24
keroppi
これも実家の倉庫での発掘本。手塚治虫の挿絵が入った、ロシア英雄譚。筒井さんの本では、少し亜流に入るのでは。これは、これで面白い。随分前に読んだ本で、すっかり忘れていた。
2017/02/06
Porco
これといい『わたしのグランパ』といいブラックユーモアの人という認識のある筒井康隆の文体とは思えないほど、言い方は悪いがちゃんとしている。話自体はロシアの口承叙事詩ブィリーナの大英雄であるイリヤーの伝記みたいなものだ。イリヤーは日本人的には桃太郎的立ち位置の人みたいだが、ウラジーミル公や単独でお話の主役にもなっているドブルイニャ・ニキーティチなど、なんか金太郎と浦島太郎も出てくる桃太郎みたいな豪華さがある。 (1/2)
2024/11/11
もよ
筒井康隆さんらしからぬ、質実剛健の英雄譚。もともと実在の人物ではないうえに、言い伝えられている間に、どんどんスーパーマンになっていったのだろう。荒唐無稽だが、とても楽しめた。
2015/10/11
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