悪魔のトリル (講談社文庫 た 43-4)
悪魔のトリル (講談社文庫 た 43-4) / 感想・レビュー
mocha
高橋克彦さんの初めての怪奇小説集。1989年刊。奇妙な味の六篇。表題作『悪魔のトリル』は江戸川乱歩へのオマージュのような作品だった。一番好きなのは『陶の家』。とても映像的で、ぐるんと世界が転換するようなラストがいい。どの作品もただ怖がらせるのでなく、ひねりと優しさがある。さすがストーリーテラー!という感じだった。
2017/08/31
みかん🍊
ぎゃー初っぱなから人食い天邪鬼、怖い!ドールズ以来久々に高橋さん読んだけど、これはグロく怖い話のオンパレードだった。記憶というのは自分が思っているのと少しずつずれて他人の記憶とも違うのかもしれない、しかし小学生の事の記憶なんてそんなに鮮明に覚えていないなあ。
2020/10/23
アッシュ姉
著者初の怪奇短編集。じつは再読だったが、期待どおりの面白さだった。記憶シリーズがお好きな方にオススメ。ヒェェと背筋が寒くなったり、じんわりしたりと楽しめた。小さい頃に読んだらトラウマになりそうな「眠らない少女」、一番好みの雰囲気「悪魔のトリル」、心肺停止も頷ける恐ろしさ「陶の家」がお気に入り。高橋克彦さんの怪奇小説は物凄く怖いわけではないが、おどろおどろしさ加減が絶妙でざわざわゾクゾクする。次は『たまゆらり』を読んでみたい。エッセイの玉子魔人シリーズも気になるではないか!
2017/12/22
麦踏
何十年ぶりかの再読。読み進めると、語り手と共に少しずつ記憶が蘇る。高橋さんのホラー作品を読むと、いつも自分の記憶や正気があやふやになる。一番おかしいのは自分ではないかという恐怖。少しずつ焦点がズレてゆく噛み合わなさが怖い「眠らない少女」、大好きな「ゆきどまり」を彷彿とさせる「飛縁魔」、一番恐ろしいものの描き方が秀逸で雪崩る怖さの「陶の家」、脳内での映像が止まらない美しさを感じる「悪魔のトリル」が印象に残る。「悪魔…」はある乱歩作品のオマージュらしい。次に読む本が決まった。
2018/01/29
リッツ
いや~!懐かしい!とコレも一気に。昔の愛読書。今読むとちょっと回りくどいような気がするのもあったけど、いやいやこの少しずつ合わなかった(又は無理に合わせた)辻褄の正体が見えてくるときの気持は紛れもなく恐怖。そして、どこかにもののあわれというか情愛を感じたり、目眩のするようなラストを楽しんだりいたしました。
2019/04/12
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