カディスの赤い星 下 (講談社文庫 お 47-5)
カディスの赤い星 下 (講談社文庫 お 47-5) / 感想・レビュー
GAKU
漆田のスペインでの活躍は、とても一PRマンとは思えない違和感が。ただそれを差し引いても二転三転の展開から、結末までそれなりに面白く読む事が出来た。刊行当時に読んでいたら、もっと面白く感じていたと思う。
2020/05/09
Willie the Wildcat
ハードボイルドとのことだが、心情描写も楽しめる。特に、サンチェスと主人公との目に見えない意思の疎通、交流が印象的。”革命”における現実との乖離への心の葛藤も、現実感がある。(私の単純、楽天的な性格から)理沙代との”別れ”は少し寂しい。この点だけは読みがはずれた!とも言える。割と”読み”が冴えてたなぁ。(笑)蛇足だが、解説における”11年の時差”も興味深かった。「そんなこともあるんだぁ・・・」と思わずつぶやいた。(汗)
2012/11/16
おさむ
下巻はスピーディーな展開で、アクションありサスペンスありで引き込まれます。スペインのフランコ政権の悪政の実態等、知らなかったことも沢山。只、最後の謎解きが些か強引過ぎるのがたまに傷かな。直木賞と日本推理作家協会賞にふさわしい力作でした。
2014/02/17
MIKETOM
第96回直木賞(下巻)。上巻で期待感が増した。下巻は、悪くはないのだが少々粗が見えてしまった。独裁政権国家の治安警備隊といえば冷酷無比でタフなイメージだが、サンチェはなんと良心的で心優しき隊長。テロリストを捕まえても誠実に言葉を持って説得しようとしたりしている。そのためハードボイルドにも関わらず思い切り生ヌルい展開になってしまった。残念。まあ、日本に帰ってきてからは次々に展開していく驚きの新事実に引き込まれたけど。パコのギターは一度聞いてみたいね。面白かった。ただ、ラストの悲劇は必要だったのか?
2017/08/27
ぺーいち
追い込まれてなお相手の感情を逆なでする固ゆでジョークの数々。ハードボイルドお約束の一人称「私」にシビれます。エンディングはいささか大仰な気がしますが腹のおさまりは意外に良く、奇跡のバランスとも言えましょうか。
2012/12/06
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