犬だって散歩する (講談社文庫 ま 4-7)
犬だって散歩する (講談社文庫 ま 4-7) / 感想・レビュー
棕櫚木庵
丸谷才一のエッセイの魅力は,はやりその博識ぶりだろう.次から次へとヘェっていう話が出てくる.そして,比較文化的とでもいえばいいのか,思わぬ話題との関連.そして最後にその語り口.時におしゃべり口調が混じることもあって,楽しい談話を聞いている気分になる.本書のヘェの一つ.切腹というのは,中国の誇張表現を真に受けた習俗ではないか(pp.86--87).十分あり得るような気がしてきた.→
2023/10/06
雑感
#2020年読了 032:丸谷才一『犬だつて散歩する』 読んだ端から忘れてしまうのだけど、読むたびに「へー!」と唸ったりんふふと笑ってしまったり、とにかく楽しくて、しかも賢くなったような気になれる丸谷さんのエッセイ集。今回は「武士の切腹という風習は、中国小説の誇張表現を真に受けた結果なのではないか」というのが面白かったなあ。赤塚不二夫の名前が出てきた時は驚いたけど、そこから「巡査の喜劇性」なんて話に持っていくのはさすが。「巡査に鍋焼」という言葉は知らなかった。
2020/02/14
ゆあさよ。
「教養とはなにか」という自問自答を二、三回繰り返してみたところ、まぁ現段階の答えとして、おそらく「共通項を増やすこと」だと思い至ったのは三十二歳、早春の晩のことであった。じゃあ「知識とはなにか」というと、その教養を深耕することではなかろうか、と思い至ったのは、なにを隠そう本書を読んだからである。知識を掘り下げていくと、この地球上では他の知識に近づいてくる。そんな感じで、丸谷氏は自らの調査結果を森羅万象に至らしめていて、知識があるというのは、こういうことなのだなぁとおもった三十二歳、早春の晩のことであった。
2019/03/15
nokan
もっともっと本を読もう。
2015/06/20
ゴリゾウ
イギリスの料理はうまくないという日本人の偏見は、漱石に責任がある。武士の切腹は、中国式のホラを真に受けての風俗ではなかったか等々、広大な知性のユーモアの世界を駆けめぐる、丸谷流読む散歩。(「BOOK」データベースより) #1513
1989/04/07
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